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McIntosh MA12000はそれまでなかった超高級プリメインアンプという分野に踏み込んだ前例のないモデル。
DAC内蔵インテグレーテッドアンプとしてはMarantz Model10と競合するものですが、交換式のD/Aコンバーターは下位機種との互換性から性能の制約があります。
なお2024年にマッキントッシュはBoseに買収されました、今後の体制には要注目です。
McIntosh MA12000・3つのヤフオク落札履歴
状態は普通か、やや良いというMA12000ですが、元箱がありません。
極めて重いプリメインアンプであり、輸送する手段は木箱を特注するぐらいしかない。購入後の買取に苦労する事例です。
音質レビューと中古のメリット・デメリット
- メリット
一台でほとんどすべてのフォーマットに対応できる。
セパレートアンプと同等の音質、ローインピーダンスのスピーカー駆動で明らかな馬力がある。
- デメリット
重く大きすぎる
真空管をLED照明で演出する必要があるのか疑問
- 最新プリメインアンプとの音質比較
間違いなく現時点(2025年)で最高の音質を誇るプリメインアンプ。比肩する競合モデルはMarantz Model10やかつてのDENON PMA-SX1 LIMITEDなど最上位に限られる。
ただモジュール化したDAC部分だけは共用するために下位機種との差別化が出来ていない。ここは明らかにModel10に比べて劣る。
中古McIntosh MA12000の買取価値とは
新品価格から見た中古相場はかなり割高です。
買取価値は極めて高い。
販売例は少ないもののオーディオ販売店やオークションの実例はMA12000が高値安定の中古オーディオ機器であることを示しています。
レビューされたMcIntosh MA12000の音質
季刊ステレオサウンドNo221ではGrand Prixに選出。詳細な製品レビューはNo220において黛健司(Kenji Mayuzumi)氏の評論を見ることができます。
- あらゆる点で最新のオーディオアンプとして指標になりうるもの。
- 真空管/ソリッドステートというハイブリッドアンプの利点がいかんなく発揮されている。極めてローノイズでありながら力感がある。
- 2Ω負荷でも350W出力といううたい文句通りに抜群の駆動力である。この大きさは正直持て余すが音を聞くと次元が異なることが理解できる。
販売数が少なくネット上のユーザーによるレビューがほとんどないモデルでもあります。
なおDAC搭載というポイントはMarantz Model10との比較では見劣りがするものとなっています。
多種多様なデジタル回路を量産できるマランツに対し、マッキントッシュの対応は僅かであるため。
正直申し上げて
- 真空管を演出するためのLED照明
- 液晶ディスプレイ
- 内蔵DAC
この3つは最上級プリメインアンプには相応しいとはいえないように思われます。
McIntosh MA12000の中古相場(オークション・専門店)
過去のYahooオークションから、注目度(ウォッチ数)の多い中古McIntosh MA12000の落札履歴を紹介。
コンディション(★★★/★★☆/★☆☆)ごとの価格比較です。
特に「1円スタート」「1000円スタート」など低価格からの入札例を中心に選びました。
※Yahooオークションの落札履歴はYahoo規約により最大3年で抹消されます。
オークション履歴(コンディション別)
- ★★★
- ★★☆
- ★☆☆
コンディション★★★(Excellent)のオークション
オークション落札例なし
コンディション★★☆(Average)のオークション
- 2024年:¥1,431,100(JPY)
オークション落札例なし
コンディション★☆☆(Poor)のオークション
オークション落札例なし
オーディオショップの中古価格(ハイファイ堂・オーディオユニオンほか)
コンディションと中古選びの注意点
コンディション総合判定『★★☆(Average)』の中古McIntosh MA12000。
本体の状態は良いのですが「元箱」がない。
50Kgに近い重さは市販の段ボールをいかに補強しても収納できません。
売却や引越しなどあらゆる面での困難が予想されます。
「買ってはいけない」中古McIntosh MA12000の特徴
MA12000は現行モデルです(2025年時点)。
一般的に中古相場が最も高い時期ですからコンディション良好な個体を選ぶことが必須。安く傷ものを買うことは金銭的に損です。
なおこのモデルは特に「元箱」が重要。
48.9kgという重量は、専用に設計された輸送箱がない限りハンドリングできない。
中古の買取時に大きな障害となります。
中古オーディオ機器の寿命と修理について
プリ/パワーアンプ部分は信頼性が高く長期間の修理メンテナンスが可能な仕様。
12AX7Aは極めて入手がしやすく信頼性の高い真空管です。
MA12000の修理や寿命に影響がある可能性は以下の要因です。
- 液晶ディスプレイの補修パーツが枯渇する
- リモコンのベタつき
- 内蔵DAC部の故障やアップデートが終了すること
このうち3番目の「内蔵DAC部」は今後の修理対応でもっとも注意すべきポイントとなります。
買収され続けるMcIntosh・Bose傘下での修理とは?
製品は優れていますが経営はあまり安定していないMcIntosh。
昨年(2024年)にはスピーカーで有名なBoseに買収されています。
マッキントッシュと同じグループ企業であったSonusfaberもBose傘下に入りました。

長期間の修理を実現するために必要なものは、「高い製品利益率」と「安定した経営」ですから、少々不安になるニュースではあります。
特にD/Aコンバーターは対応フォーマットが変化し続けるため、アナログアンプの修理と異なり単に部品をストックするだけでは不可能です。
BOSEは経営効率を重視することで知られています、McIntoshへの影響は注視が必要です。
McIntosh MA12000の仕様・『MA9000を超えるパワフルな真空管/ソリッドステートのハイブリットアンプ』
MA9000を超える最上級プリメインアンプとして作られたのがMA12000。
真空管/半導体のハイブリッド構成でありMA9000を超える駆動力を実現した結果、とてつもなく巨大なモデルとなりました。
なおDAC搭載だけでなくフォノイコライザーが充実していることは美点です。
- メーカー:McIntosh
- モデル名・型番:MA12000
- 発売年次:2020年
- 定価:¥2,500,000(/台・JPY)
- 発売時点価格:¥1,800,000
- プリアンプは真空管、パワーアンプは半導体を採用したハイブリッドアンプ
- プリ部は応答性に優れた真空管、そしてパワー段には大出力かつローノイズの半導体を使い、高い分解能とスピーカーへの駆動力を両立
- 12AX7A真空管を4本(チャンネルあたり2本)を搭載
- 大型電源とオートフォーマーを搭載し、2Ω負荷でも安定して350Wの出力を実現。
- 新世代のDA2デジタルオーディオモジュールを搭載し、ほとんどあらゆるフォーマットに対応するインテグレーテッドアンプ
- Roon Testedの認定を受けており、最適なRoon互換性を持つ
- スロットイン方式により交換可能
- 8バンドイコライザー(25、50、100、200、400、1,000、2,500、10,000Hz)を装備
- マッキントッシュ伝統のガラスフロントパネルとブルーアイズメーター、そして名機MC275を思わせる鏡面仕上げのステンレスシャーシ
(総合仕様)
- 外径寸法:W44.5×H24.0×D50.2cm(突起物含む)
- 重量:48.9kg
- 備考:リモコン付き
(プリアンプ部)
- 周波数特性:
- 20Hz ~ 20,000Hz (+0、-0.5dB)
- 10Hz ~ 100,000Hz(+0、-3dB)
- 全高調波歪率:0.03%以下(20Hz ~ 20,000Hz)
- 定格出力:
- バランス 3.4V
- アンバランス 1.7V
- 最大出力電圧:
- バランス 8Vrms
- アンバランス 8Vrms
- 入力感度:
- バランス 600mV
- アンバランス 300mV
- フォノ MM 3.0mV
- フォノ MC 0.3mV
- S/N比 (A-Weighted):
- ライン:95dB (定格出力)
- フォノMM:77dB (3mV入力以下)
- フォノMC:75dB (0.3mV入力以下)
- 入力インピーダンス:
- バランス 44kΩ
- アンバランス 22kΩ
- フォノMM 47kΩ / 50 – 400pF(50pFステップ)
- フォノMC 100pF / 50、100、200、400、1000Ω
- 最大入力レベル:
- バランス 16V
- アンバランス 8V
- フォノ MM 80mV
- フォノ MC 8mV
- 電圧ゲイン:
- 15dB (ライン)
- 55dB (フォノMM)
- 75dB (フォノMC)
- ヘッドフォン出力負荷インピーダンス:100 〜 600Ω
(パワーアンプ部)
- 定格出力:350W + 350W(2/4/8Ω)
- 出力インピーダンス:2Ω、4Ω、8Ω
- 定格周波数帯域:20Hz ~20 ,000Hz
- 全高調波率:0.005 %以下(250mW – 150W)
- ダイナミック・ヘッドルーム 1.5dB
- 混変調歪率:0.005%
- ワイドバンド・ダンピングファクター:40以上
(D/Aコンバーター)
- 同軸/TOS光デジタル入力:24Bit/192kHz
- USBデジタル入力:32Bit/384kHz・DSD512
- MCTデジタル入力:24bit/192kHz(PCM)、DSD64(SACD)
- HDMI:PCM24Bit/192kHz
- DTS, Dolby Digital
- Roon Tested認証済み