個性的な音が一部で根強く支持されるイタリアPathos Acousticsの真空管プリメインアンプ「LOGOS」のYahooオークション落札価格情報。
珍しいモデルにして中古の流通も少ないため、低価格の開始価格によるオークション事例は参考になります。なおこのLOGOSは並行輸入品です、付属リモコンも紛失している。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古市場におけるPATHOS LOGOSの評価は、以下の人気・価格・コンディションに現れています。
並行輸入品であり、今回紹介の事例以外はほとんど売買例がありません。
人気・コンディションと落札価格
- 落札価格:¥182,000(JPY)
- ウォッチ件数:90人
- コンディション :★☆☆(Poor)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- 【送料無料!!】PATHOS/パトス プリメインアンプ LOGOS ストア
- 入札・落札情報
- 入札件数:76件
- 開始価格 5,000 円(税込 5,500 円)
- 開始日時 2023.12.29(金)10:12
- 終了日時 2024.01.04(木)22:05
- オークションID f1119385591
- 出品者
- 出品者ID:UNISOUNDヤフオク
- 出品社名:ー
- URL:https://auctions.yahoo.co.jp/jp/show/rating?userID=unisound045
- 評価(良い):99.7 %(取引 41,479件中・ 2024年 6月時点)
- 出品地域
- 奈川県 横浜市
PATHOS LOGOSの音質とは
LOGOS「Mk1」は日本未発売のためオーディオ雑誌や評論家のレビューは存在しません。
現在の正規代理店であるタイムロードの輸入再開も2018年であり、「Twin Towers」以来20年ぶりの導入です。
欧米では高いデザイン性と力強い音質として高評価のPathos Acoustics
日本ではあまり人気がないPathos Acousticsですが、日本国外、特に欧州では一定の支持があります。
デザイン性が高くそれでいて力強い音調が好まれています。
- 力強い低音によって表現されるダイナミクスとエネルギー
- 人の声はフルボディそのものの再生
- 心地よい中音と滑らかな高域
同社の特徴は真空管とトランジスタのハイブリッド構成ですが、出力素子であるMOS-FETの特徴を上手に引き出しています。
回路方式だけでなく大型の電源トランスを採用するなど部品選定にも手抜きがありません。
ヤフオク落札相場データ
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
※Yahooオークションの落札履歴はシステム上の理由から最大2年で抹消されます。
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
オーディオショップの中古価格
(2024.6.3)
現時点でPATHOS LOGOSの中古はほとんど流通しておりません。
そのため今回ご紹介するオークション落札事例が最新の価格指標となります。
¥5,000という低価格からの入札はかなり正確な人気と価格を表していると思われます。
ハイファイ堂・オーディオユニオンほか専門店の中古相場
「正しい価格」はどちらか・オーディオショップとオークション
その時点で最も人気を反映しているのはオークションの中古オーディオ価格です。
そしてオーディオショップの中古販売価格はオークションの落札価格に連動します。
中古の流通量が段違いに多いことから、価格決定力はオークションが圧倒的に強い。
最近は相場の変化が大きいため、大手リサイクルチェーンストアでも自社の販売履歴によらず、最新のオークション価格を確認して値付けを行なっています。
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★☆☆(Poor)』の個体。
わずかに使用感があり付属品は電源ケーブルだけです。
リモコンが付属しておらず、しかも日本に輸入されてたのはDACを搭載した「LOGOS MK2 with DAC」からなので並行輸入品となります。
現在の正規代理店であるタイムロードはサポートしないと思われます。
出品されたPATHOS LOGOSのコンディション評価
「買ってはいけない」中古PATHOS LOGOSのポイント
Pathos Acousticsの製品は丁寧に作り込まれており、イタリア製の電気製品にありがちな故障も報告されていません。
しかしながら真空管アンプ(LOGOSは出力はMOSーFETのハイブリッドアンプ)できれば現品を見て購入したい。
また今回の落札事案のように
- リモコンがない
- 並行輸入品である
というものは買ってはいけない中古です。国内でサポートが受けられない可能性が極めて高いため。
正規代理店であるタイムロードは保証書の有無をサポート前提としているため、おそらくですが断られるか、修理しても高額になります。
なおリモコンを紛失したオーディオ機器はなぜか手荒に扱われているものが多い、というオーディオショップのコメントを付記しておきます。
PATHOS LOGOSの仕様
日本には正規輸入されていないPathos Acousticsの真空管/MOS-FETのハイブリッドアンプ。
同社は同じモデルを長く生産し続けることで知られており、一定の信頼性があります。
メーカー・発売年次と定価
LOGOSの基本設計も長期にわたる生産が続けられており、現時点(2024年)時点で15年を経過しております。2018年には「Mk2」に移行し、アナログ部の構成そのままにUSB-DAC機能を追加しました。
- メーカー:Pathos Acoustics
- モデル名・型番:LOGOS(日本国外では「LOGOS Mk1」として知られる)
- 発売年次:2009年
- 定価:4,795ドル(/台・USD)
PATHOS LOGOSの主要スペックと音質技術
前段は真空管、そして終段はMOS-FETのAB級増幅方式。MOSーFETは真空管に近い動作でかつ大出力が取り出せ、しかも回路はシンプルになります。
なお電源はかなり大容量の仕様であることは、出力が110W(8Ω)/220W(4Ω)とリニアに上がっていること、そして28Kgという重量からも推測できます。
内部レイアウトは左右を完全に分離した回路基板となっており、これは音場表現に有利です。
- 主要スペック
- 大きさ:420mm (D) x 430mm (W) x 170mm (H)
- 重さ:28Kg(/台)
- 出力:110W(8Ω)/220W(4Ω)
- 真空管:6922(E88CC)×2 ※テクソル製と思われる
- 周波数応答: 2Hz-200KHz ±0,5dB
- THD:0,02% @ 1W; 0,2% @ 110W
- S/N比:>90dB
- 入力インピーダンス: 100KΩ
- ライン入力専用(フォノイコライザーなし)
- 入力:7系統
- アンバランス(RCA):5系統
- バランス:2系統
- REC OUT:1系統
- プリアウトあり(1系統)
- 消費電力:200W @ 100WPC / 130W @ ゼロボリューム < 0,5W@スタンバイ
- 能率:dB/W/m(Ω)
- 音質技術の注目ポイント
- 初段は真空管/終段MOS-FETのハイブリッドアンプ構成により真空管独特の音調と高い駆動力を両立。
- 大容量の電源仕様とすることで低能率またはローインピーダンスのスピーカーを駆動することに強い。
- 回路基板からヒートシンクに至るまで入力信号を左右セパレート化してセパレーションを橋上させ、広く奥深い音場表現を実現。
- Pathos Acoustics独自の保護回路により故障時にスピーカーを保護。
- 外装には手作業で仕上げられたアフリカンパドックを使用。
- ヒートシンクは単なる放熱フィンではなく、上から見ると「PATOS」とかたどった形状をしており、Pathos Acousticsならではのデザイン性が随所に見られる。
製造メーカーの目でみるオーディオ機器としての寿命
イタリア製ではありますが、PATHOSの製造品質については信頼できると思われます。
理由は「ひとつのモデルを長期間作り続ける」という同社の方針があること。
社名を形どったヒートシンクなどは、日本人の感覚からすれば少々お遊びがすぎる気もしますが、90年代に輸入された初期「Twin tower」も故障はありません。
PATHOSが放熱や部品への負荷をかけない堅実な設計であることをうかがわせています。
中古のメリット・デメリット
他社プリメインアンプとの比較
先にデメリットから。
LOGOS「Mk1」は日本国内には正規輸入されていません。
サービス体制がないため修理に苦労することになります。
本来ならおすすめできません。正規代理店タイムロードが取り扱う「MK2」を探すべきです。
ヒートシンクを上から見ると「PATOS」の文字をかたどったイタリアらしい意匠も音質第一のオーディオ愛好家からは「ふざけている」「デザインで売るシステムコンポ」という印象を持たれています。
音を聴かないところは偏見と申し上げても良いのですが。
MOS-FETの特徴を色濃く表現するPathos Acoustics
ではメリットはないのか。
音質に関する限り、LOGOSならではのものがあります。Pathos Acoustics自体が個性的かつ録音状態の再現性に優れたアンプ技術を有したメーカーです。
バイポーラトランジスタアンプと違いなくなったといわれて久しいMOSーFETアンプですが、Pathos Acousticsのアンプにはまだ濃厚にその音色がある。
90年代初頭まではMOS-FETとバイポーラトランジスタには明確な違いがありましたが、その後その差を聴くことは無くなりました。
しかしPathosにはその「味わい」が濃厚に残っている、他のオーディオメーカーとは際立った違いです。
しかもMOSーFETの活用には必須といえる大容量の電源を搭載するなど、実は一番高コストなオーディオ技術を採用しております。単なる音色の違いではなく、同社ならではの高音質となり得ています。
なおLOGOS(MK1)は2009年の設計とはいえ、現在もほぼ同じモデルがMK2として製造されています。
物理特性としても高度な性能を備えています。
Mk1は上述のとおり並行輸入品ですからおすすめはできない。
「Mk2」が購入できるならば検討の必要もない、ただ¥850,000です。
また、USB-DACを搭載していることはマイナス要素になりうる、デジタルノイズの影響は音質に悪影響があるとも言えるからです。
純粋なアナログ構成である初代LOGOSに心惹かれたとしても不思議ではありません。
かつてと異なりインターネットによりPathos Acoustics本社との直接交渉は可能です。同社は同じモデルを大切に作り続けるメーカーでもあります。
海外発送の手間を厭わなければ、今回のような中古を手にいれる価値はあります。