VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)の特徴とは・中古価格と音質レビュー

VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)という珍しいスピーカーのYahooオークション落札価格情報。急激に中古価格が高騰したモデルでもあります。

アメリカ製ヴィンテージスピーカーの丁寧かつ正式なるレプリカだと知られるようになったためです。

目次 ー時間がない人のためにー
➡︎ 評論家の音質レビュー
➡︎ 中古相場データ
➡︎ 中古のメリット・デメリット

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3つの重要なヤフオク落札履歴

動作確認ができていません。
しかし買うべきコンディションです。キャビネットは年代を考えると綺麗。
スピーカーユニットは修理可能です。オークションに人気が集まったことも理解できる。

  • 落札価格:¥151,880(JPY・税別)
  • 人気(ウォッチ数):★★☆(96人)
  • コンディション :★☆☆(Poor)

出品URL(Yahoo オークション)アンティーク VICTOR ビクター LCB-1C(SB-2202-C)大型スピーカーシステム ペアで単体重量55.6kg

落札価格:¥151,880(JPY)

  • 開始価格: 1,000円(税込 – 円)

人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。

ウォッチ件数:96人

  • 入札件数:40件
  • 引き取り限定(出品者による配送手配不可)
  • オークションID:s1082098472
  • 出品地域:香川県
  • 入札履歴(以下リンク参照・ダウンロード可能)

落札日時:2023.02.21(火)22:11

  • 出品日時:2023.02.16(木)19:03

出品者情報(ID・名前・評価)

VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)の音質とは・DIATONE「2S-305」と並ぶ名機

発売が1956年であるためその音質について言及した資料はほとんどありません、というより1点を除き皆無ではないかと思われます。
故 長岡鉄男(Tetsuo Nagsoka)氏は、30年前に著書においてこのスピーカーの価値について注目していました。

  • DIATONE「2S-305(1958年)」とならぶ名機
  • スケールが大きくゆとりある音質
  • 現代(1993年時点)でも通用する特徴あるデザイン

とレビューし、それまで大型ラジオ程度しかなかった国産オーディオの転機であったとしています。

注目されたVICTOR LCB-1C(SB-2202-C)の技術と現実の評価や人気・RCA LC-1A/SC-15の正規レプリカであること

発売当初(1958年)は朝鮮戦争が終息した後であり、日本は本格的な経済成長を始めた時期にあたります。

ラジオだけが音楽を聴く手段であった時代から「オーディオ機器を買う」ということが現実的になりつつありました。
RCAから正規ライセンスを得てレプリカを製造するということができるようになった時代です。第二次世界大戦から13年しか経っていない日本人にとっては夢のような高級品がVICTOR LCB-1Cでした。

現在はRCA LC-1A/SC-15の正規レプリカであることが中古の価値となっています。

最新のVICTOR LCB-1C(SB-2202-C) 中古相場(Yahooオークション・年度別まとめ)

Yahooオークションの出品例から、多くの注目(ウォッチ数)を集めた落札例について、落札価格から入札ー落札までの詳細履歴に至るまでアーカイブしています。

(2023.6)
相場とよべるほどの売買事例がありません。

中古価格は¥150,000ー200,000(JPY)と幅があります。

相場情報で明らかなことは、20年ほど前までは¥50,000程度であったということ。
米RCAのLC-1Aをライセンス生産したものであることが知れ渡った時点から一気に急騰しました。

音質や由来については後述します。

オーディオ関連オークションの中古相場と最新の出品データ

※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。

※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。

3ヶ月以上前のヤフーオークション落札履歴については、以下の各年度まとめをご参照ください。

Yahooオークションの落札履歴はYahoo規約により最大3年で抹消されます
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。

(2024年)過去のオークション落札履歴

  • Yahooオークション出品時の商品タイトル
    • アンティーク VICTOR ビクター LCB-1C(SB-2202-C)大型スピーカーシステム ペアで!単体重量55.6kg 音出確認済み エッジ綺麗
  • 入札・落札情報
    • 入札件数:19件
    • 開始価格 999 円(税 0 円)
    • 開始日時 2024.09.06(金)17:39
    • 終了日時 2024.09.13(金)21:39
    • オークションID s1151767532
  • 出品者
    • xdv
    • 総合評価(良い):98.5%(383件中)
  • 出品地域
    • 埼玉県
  • コンディション説明:
    • シリアルNo:不明
    • 動作確認済み
    • キャビネットに傷
      • フロントバッフルの化粧板は一部剥がれている

オーディオショップの中古価格(ハイファイ堂)

日本のオーディオショップによる売買履歴です。

よくある故障・不具合

以下よりコンディション判定『★☆☆(Poor)』となります。
もう年代としてミントコンディションは期待できません。ただスピーカーユニットについては技術ある業者にメンテナンスを依頼することは可能です。

出品物の傷・不具合(右)
VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)・おすすめ中古オーディオの情報・商品の状態ランク・傷汚れ・コンディションランク・買取・落札時の確認・注意点R
  • シリアルNo:不明
  • 67年前のスピーカーだが、キャビネットは原型をとどめている
  • 動作不明
  • キャビネット塗装面につやなし・小傷多数
  • 前面ルーバー部分に下地の見える欠けあり
  • 保護ネットに毛羽立ち
  • スピーカーユニットの状態不明
出品物の傷・不具合(左)
VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)・おすすめ中古オーディオの情報・商品の状態ランク・傷汚れ・コンディションランク・買取・落札時の確認・注意点L
  • シリアルNo:不明
  • 67年前のスピーカーだが、キャビネットは原型をとどめている
  • 動作不明
  • キャビネット塗装面につやなし・小傷多数
  • 前面ルーバー部分に下地の見える欠けあり
  • 正面ロゴが一部欠けている
  • 保護ネットに毛羽立ち
  • スピーカーユニットの状態不明

「買ってはいけない」中古のポイント・VICTOR LCB-1Cはスピーカーユニットをチェック

チェックポイントは以下の順です

  1. 動作確認
  2. キャビネットの状態
    • 朽ちたりしている部分はないか
    • 板が反ったり隙間ができた部分はないか
  3. スピーカーユニットの状態
    • コーン紙・エッジ
    • ツィーターのディフェーザー(羽根状のもの)は曲がったり折れていないか
    • ダンパーの割れ

VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)の仕様・RCAの名機LC-1Aのレプリカ

RCAの名機として知られるモニタースピーカー「LC-1A/SC-15」の正規レプリカです。
綿密な監修を受けて制作されています。

メーカー・発売年次と定価

  • メーカー:Victor(ビクター)
  • モデル名・型番:LCB-1C(SB-2202-C)
  • 発売年次:1956年
  • 定価:¥89,000(/台・JPY)

注目されたVICTOR LCB-1C(SB-2202-C)の音質技術・LC-1A/SC-15の正規レプリカ

本機が発売されるごく数年前まで占領軍であったアメリカ軍民は、来日の際、日本の大工(指物師)に家具を作らせて母国に持ち帰ったそうです。

そういった環境があった時代、米RCAの監修のもと、当時の日本ビクターが丁寧にコピーしたのがLCB-1C(SB-2202-C)です。

  • 主要スペック
    1. 大きさ:W690×H1030×D400mm
    2. 重さ:53Kg(/本)
    3. インピーダンス:16Ω
    4. 能率:不明
  • スペック上の注目ポイント
    1. 米RCA社との正式ライセンス契約に基づき、日本ビクターが製造。
      • LC-1A(コニカルドーム付き)+SC-15(バスレフ型キャビネット)のレプリカ
    2. オリジナルをもとに、当時日本で入手できる素材(コーン紙・マグネット・木材等)を使用
      • オリジナルは米松合板を使用しているが、本モデルの材料は不明。
    3. スピーカーユニット(LCB-1C)は同軸2ウェイ
      • 400mm(16in)ウーファー
      • 50mmツィーター(ディフェーザー付き)
      • アルニコマグネット仕様
    4. 家具作りの指物師(さしものし)がいた時代に、丁寧に作り上げたキャビネット
長崎 西海・音浴(オンヨク)博物館 17/08
昨晩、Bessie Smithさんで教えていただいた音浴博物館へ。。。中に入ると、実物大のビクターの「蓄音器から流れる亡き主人の声に耳を傾ける犬」がお出迎えしてくれます。笑
RCAモニタースピーカーシステム LC-1A | VintageAudio

中古VICTOR LCB-1C(SB-2202-C)のメリット・デメリット

  • メリット:RCAと契約し正式な監修を受けたLC-1A/SC-15のレプリカであり製造精度は高い
  • デメリット:とてつもなく古い。またLC-1Aとは音質が違う
  • 最新スピーカーとの比較:物理特性は劣っている。

デメリットはとてつもなく古いこと。そして同世代の海外ヴィンテージ機器のような金銭的価値はないことです。

なにしろ日米安全保障条約の4年後、というよりGHQが解体されて間もない頃のスピーカー。まだ第二次世界大戦の名残が残っていた、あくまで過渡期のオーディオであります。

またRCAのコピーではありますが、本家のごとき音質ではない。

最新大型スピーカーと比較した音質・RCAと契約し正式な監修をうけ丁寧に制作されたレプリカ

最新大型スピーカーと比較した場合、音質は遠く及びません。物理特性の点ではコンパクトスピーカーにすら劣る。

しかしながらRCAと契約し正式な監修をうけています、その上で丁寧に制作されたレプリカ。それが大きなメリットです。

それは現物をみればわかる。「オーディオ技術」と良質な工業材料が皆無だった日本において、日本人の実直さと図面だけをたよりにあるかぎりの力を注いだ。

一点一点を大切に作ったのです、現在このようなオーディオはありません。

それに気づいた人が現れた数年前、二束三文だった中古はいきなり高騰しました。
この価格はしばらく続くと思われます。