JBLのプロ用スピーカーシステム4691Bが出品されたので記録します。通称キャバレーシリーズ、現在のスピーカーシステムにないリッチなユニットを搭載しており、これでしか出せない音があります。
なお本件はメンテナンス前提の個体であることから、本記事は相場情報の一例としてご認識をお願い致します。
落札価格情報(JBL 4691B)
- 落札価格:¥35,801
- サイトURL:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f520674497
- 出品者:リサマイ市場・本館( toomookaanaa)
- ウォッチ登録数:63名(6月23日時点)
- 落札件数:(ー)
- 落札情報詳細(履歴リスト)
スペック・諸元(JBL 4691B)
- 発売時期:1984年
- 発売時価格:¥325,000(1本)
- 方式:バスレフ式2ウェイシステム
- 外径寸法(本体)W517×H767 ×D471(mm)
- 重量:49.4Kg(スピーカー本体・1本)
- インピーダンス:8Ω
- 再生周波数帯域:40Hz〜20kHz
- クロスオーバー周波数:1.5Hz
- 出力音圧レベル:103dB(W/m)
- ユニット構成
- 高域:ホーン型×1(2425J+2370/チタンダイヤフラム・1インチドライバー・16Ω)
- 低域:38cmコーン型×1(E-140)
- 詳細情報:オーディオの足跡(リンク先)
- スピーカー本体(JBL 4691B)
- 高域ドライバー(2425J)
- 低域ユニット(E-140)
- その他:フォーン端子(スイッチクラフト製)→フォーンプラグは同じくスイッチクラフト製が望ましい(他社製では接触不良の可能性あり)
出品物のコンディション
SN21269側の高域ユニットにビビりあり、アッテネーターにガリ。 外観については業務用前提と考えた場合良品と思われます。
- シリアルNo:21269/24655
- スピーカー本体に傷あり、業務用に見られる深いものではない。
- 四隅のプラスティックカバー付属、ハンドルの破損なし。
- 確認できるユニットの破損なし(センターキャップ含む)
- メッシュの破損なし、取り付けネジにさび(雨ではなく経年劣化と思われる)
中古の確認ポイント
本件は久しぶりに比較的外観の良いものが出品されたため、今後のオークション・ユーズド検討の際の参考情報として残すことに致しました。
このスピーカーを取り上げたのはライブハウスなど業務用途が多くきちんとした状態のものが少ないためです。
実際に最近の落札は外観で既に難あり品が多い。
特に以下の要因によるユニットの劣化有無・程度を確認することがポイントとなります。
- 雨・タバコ・スモークによるユニットの劣化や汚れ
- 大入力によるユニット破損
- 衝撃による外装へのダメージ(結果として内部ユニットへの影響)
もし今回ぐらいの外装コンディションでかつユニットが完動品であるならば(重ねて申し上げますが本案件は片チャンネルに不具合あります)おさえておいて損のない機種と思われます。
家庭用ホーンスピーカーとしてのJBL 4691B「キャバレーシリーズ」の」実力
E-140というほとんどフルレンジといっていいウーファーユニットを中心にホーンを追加した古典的な2ウェイシステムです。
JBLの古典的システム構成を残した数少ない機種
JBLは現行システムもそうであるように「2ウェイスピーカー」を得意とするメーカーです。
一見3ウェイに見えるDD67000やS9900もツィーターは味付け程度のクロスオーバー。
JBLにはシステムチャートでいうところの001/003システムという創世期の伝説的モデルがありますが、JBL 4691Bは仕様としてはその直系となります。
リリース時に既に古典的と思われていましたが、一部好事家の間ではハードなジャズを聴きたければこれと言われていた機種でもあります。
つまり性格がはっきりしているモデルです。
登場時はちょうどCDが新フォーマットとして出た時期であり有名な4344が売れてた時期でした。本機は当時の基準としてもワイドレンジではなかったことから、のちのControl12SRと同じくメディア等でもほとんどフォーカスされていませんでした。
E-140・ホーンの組み合わせは一聴の価値
しかし使用されたユニットは贅沢の一言であり中域の表現力は現在の基準でみてもなかなか例がありません。
業務用としても高額の部類ですが、現在のSRXシリーズとは全く異なる内容であることが理解できます。
1インチドライバー/ホーンのキャラクターもありますが、何よりE-140の音楽性で聴かせます。下位機種に4623というモデルがありますが、こちらもお勧めです。
大編成のクラシックははっきり苦手ですが、Jazz・ポピュラー全般、そして室内楽をある種の趣味で聴く前提ならばこのモデルは一聴の価値があるものです。