オンキョーの2ウェイスピーカーQ-1 Question-1は地味ながら所有したユーザーからの評価が高いことで知られています。
ディスコン後に評価が高まったオーディオ機器の好例、なんとONKYOは22年間もサポートをすることになりました。
またB&Wがデザインアイコンとして採用する前に、独立したツィーター部を天板に配置し位相整合を試みたスピーカーでもあります。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古市場におけるの評価は、以下の人気・価格・コンディションに現れています。
ほとんどの中古個体はウーファーのエッジ(Surround)が劣化・崩壊しています。しかし中古は意外なほど注目を集める。
ほとんどの落札者はスピーカーエッジを張り替えて使う前提です。旧ONKYOでも驚くほど長期間にわたり修理を受け付けていたとのこと。
それだけの手間をかけても使いたい愛好家がいるモデルともいえます。
人気・コンディションと落札価格
- 落札価格:¥11,300(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★☆(81人)
- コンディション :★☆☆(Poor)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- ONKYO オンキョー スピーカーペア Q-1
- 入札・落札情報
- 入札件数:12件
- 開始価格 5,000 円(税込 5,500 円)
- 開始日時 2024.03.28(木)18:57
- 終了日時 2024.04.04(木)22:12
- オークションID h1130433268
- 出品者
- 総合評価(良い):99.7%(4564件中)
- 出品地域
- 神奈川県 横浜市
- コンディション説明:
- シリアルNo:5911532021
- ウーファーエッジ(Surround)崩壊
- ツィーターは動作確認済み
- キャビネットに傷
- 底板にゴム足を接着した跡あり
ONKYO Q-1の音質とは
地味ながらツィーターを天板に配置した独創性やアルニコマグネットを用いた反応の早い音質が玄人筋の評価を得たモデルです。
オーディオ雑誌や評論家の過去レビューまとめ
季刊Stereosoundではベストバイ順位21位からのスタート。翌年には41位に落ちます。
つまり新品時は評価されていなかった。
注目するべきは古株の評論家からの加点が続いたこと、素性は良かったのです。
- 音場再現性が高い、広く深いステージが広がる、このクラスでは異例の性能
- カーボン振動板特有の硬さがない、解像度の高さをアピールするのではなく自然な輪郭表現。
- 音像定位は鋭い
- Septer3001で見られるようにオンキョーは音色と音場再現性について新しい主張を始めている
- 独立したツィーターユニットを強調したデザインは位相整合を目指したスピーカー設計として興味深い
のちにB&Wが同様のデザインを全面的に採用しますが、1989年当時のONKYOは「珍しいかたち」「興味深いデザイン」という受け取られ方でした。
音場表現の巧みさはこのデザインによるところが大きく、後年のベストバイ評価では、他の選者から顧みられない中ただひとり菅野沖彦が加点しています。
注目された音質技術と現実の評価・人気
高域ユニットを天板の上に載せたデザインが何より注目されました。
位相整合と音波の自然な放射パターンを求めた時オンキョーの設計者が思いついたアイデアはシンプルにして優れたものでした・
なおONKYOのバッジがなければ、B&Wの旧モデルと言っても充分に通用するほど似ていますが、Q-1のデザインはB0wers and wilkinsに先んじたもの。
カーボン振動板らしからぬ、自然で刺激感を排した音質も愛好家から評価されています。
ヤフオク落札相場データ
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
※Yahooオークションの落札履歴はシステム上の理由から最大2年で抹消されます。
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
(2024年まとめ)過去のオークション落札履歴
- 落札価格:¥8,450(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★☆☆(人)
- コンディション :★★★☆☆(ExcellentAveragePoor)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- p2738 ジャンク品 ONKYO オンキョー スピーカーQ-1 ペア
- 入札・落札情報
- 入札件数:13件
- 開始価格 1,000 円(税込 1,100 円)
- 開始日時 2024.06.19(水)18:00
- 終了日時 2024.06.24(月)20:37
- オークションID s1141229087
- 出品者
- PLAYMART宮城岩沼店(株式会社GRACE)
- 総合評価(良い):99.6%(1117件中)
- 出品地域
- 宮城県 岩沼市2738
- コンディション説明:
- シリアルNo:不明
- 動作未確認
- キャビネットに傷・汚れ
- 右側スピーカーキャビネットに日焼け
- ウーファーエッジ(Surround)に割れと変色
6月 24日 20時 31分 | mono 自動入札。 8,450 |
6月 24日 20時 31分 | mono 入札。数量: 1 で 8,200 |
6月 24日 20時 29分 | GLOBAL LOGISTICS 自動入札。 8,200 |
6月 24日 20時 29分 | GLOBAL LOGISTICS 入札。数量: 1 で 7,950 |
6月 24日 20時 28分 | mono 自動入札。 7,950 |
6月 24日 20時 28分 | mono 入札。数量: 1 で 7,700 |
6月 24日 20時 25分 | T&T 商会2 自動入札。 7,700 |
6月 24日 20時 25分 | T&T 商会2 入札。数量: 1 で 7,450 |
6月 24日 20時 24分 | 0p6y1q8i 自動入札。 7,450 |
6月 24日 20時 24分 | 0p6y1q8i 入札。数量: 1 で 7,200 |
6月 24日 20時 21分 | isi******** 自動入札。 7,200 |
6月 24日 20時 21分 | T&T 商会2 自動入札。 7,000 |
6月 24日 20時 21分 | isi******** 自動入札。 7,000 |
6月 24日 20時 21分 | isi******** 入札。数量: 1 で 6,250 |
6月 24日 20時 21分 | T&T 商会2 自動入札。 6,250 |
6月 24日 20時 21分 | isi******** 自動入札。 6,000 |
6月 24日 20時 21分 | T&T 商会2 自動入札。 6,000 |
6月 24日 20時 21分 | isi******** 入札。数量: 1 で 4,100 |
6月 24日 20時 15分 | T&T 商会2 自動入札。 4,100 |
6月 24日 20時 15分 | isi******** 自動入札。 4,000 |
6月 24日 20時 15分 | T&T 商会2 自動入札。 4,000 |
6月 24日 20時 15分 | T&T 商会2 入札。数量: 1 で 2,100 |
6月 24日 20時 10分 | isi******** 自動入札。 2,100 |
6月 24日 20時 10分 | isi******** 入札。数量: 1 で 2,000 |
6月 24日 20時 08分 | krs******** 自動入札。 2,000 |
6月 24日 20時 08分 | dru******** 自動入札。 1,900 |
6月 24日 20時 08分 | krs******** 自動入札。 1,900 |
6月 24日 20時 08分 | dru******** 入札。数量: 1 で 1,800 |
6月 24日 18時 39分 | krs******** 自動入札。 1,800 |
6月 24日 18時 39分 | dru******** 自動入札。 1,700 |
6月 24日 18時 39分 | krs******** 自動入札。 1,700 |
6月 24日 18時 39分 | krs******** 入札。数量: 1 で 1,200 |
6月 24日 17時 49分 | dru******** 自動入札。 1,200 |
6月 24日 17時 49分 | 輝商会AA 自動入札。 1,100 |
6月 24日 17時 49分 | dru******** 自動入札。 1,100 |
6月 24日 17時 49分 | 輝商会AA 入札。数量: 1 で 1,000 |
6月 23日 20時 09分 | dru******** 入札。数量: 1 で 1,000 |
6月 19日 18時 00分 | オークション開始。数量: 1 で 1,000 |
(2021年まとめ)過去のオークション落札履歴
(2021年5月)
コンディションは良品の部類ですが傷はあります。どう判断するかは個人差と思います。開始後小刻み(500円単位)で応札されつつ30,000円まで上昇しております。
中古販売店で相場が上限¥20,000程度でありますので、今回は大変に熱意のある入札者により競られたようです。
以下のYahooオークションURLはデータ抹消されております。そのため以下の「出品者・コンディション情報」情報をご参照ください。
- 落札価格:¥30,000(JPY・税別)
- コンディション :★★☆(Average)
出品者:リサマイ市場(ID:toomookaanaa)
終了日:2021年5月9日
落札件数:60件(以下入札履歴)
コンディション概要
- スピーカーボックスは全体的に良好、年代からみて美品。背面には確認できる小傷あり
- ウーファー外観は良好
- ウーファー外周の樹脂フレームにヒビあり
各部の詳細なコンディション
シリアル連番(No:5008512800/500812800)。
本品の美点はウーファーユニットが極めてきれいなことで一番の問題であるエッジ部に割れやへこみがありません。
振動板とエッジ・振動板とセンターキャップの接着にも割れは見られません。
振動板表面も触られた形跡がない。
ただしウーファーの周囲をカバーしている樹脂フレームの取付穴付近にヒビが見られます。
両方のスピーカーボックスともに前面・側面・上面に画像から確認できる傷はありません(小傷を含む)。
背面には欠け・めくれがあります。出品者は隠すことなくきちんと背面画像を提示しています。
画像から見る限り、この傷は使用中、つまり前面と側面からは見えない部分です。なお画像から左右のいずれかを判断することはできません。
- 片ch(左右不明):背面上部の角が欠けている。
- 片ch(左右不明):背面上部の角がわずかに欠け・めくれがある
突板の全体的な剥がれなどは起こっていないようです。
ウーファー保護メッシュカバーは画像上ほつれ・破れがありません。
上部ツィーターユニットの外観は左右とも良好。振動板も傷がなく、また保護メッシュにへこみはありません。
オーディオショップの中古価格
(2024.8)
日本におけるONKYO Q-1の中古流通は、3種類に限られます。
- ハイファイ堂(オーディオ専門店で唯一入荷可能性あり)
- オークション
- リサイクルショップ
多くのオーディオ専門店では買取がなされなくなっているスピーカーです。
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★☆☆(Poor)』となります。あえてQ-1に注目したのは、普通この状態であればまず値段がつくことはないからです。
出品されたONKYO Q-1のコンディション評価
「買ってはいけない」中古ONKYO Q-1のポイント
大前提はツィーターが良品であること。
このスピーカーの音質を決定している部分であり、修理は不可能です。
その上でウーファーのエッジ(外周の盛り上がっている部分)のコンディションが注目点です。
経年変化が一番大きい部分となります。
ウーファーエッジに破損がないこと
オリジナルは合成ゴム(エストラマー樹脂)であり、ウレタンエッジよりもはるかに耐久性がありますが、発売から30年以上を経ており環境の影響により劣化し自然崩壊しているものがあります。
エッジの破損は音に大きく影響します。
ウーファーエッジについては以下2種が存在します。
- 本来のエストラマー樹脂製エッジへ交換されたもの
- 上記の部材が無くなり、クロスエッジに交換されたもの
なお2011年頃まではオンキョーのサービス部門でリペアを行っており、最後はクロスエッジ(一説には不織紙ベースとも言われる)に交換されていました。
なおこのタイプのスピーカーユニットは専門業者での修理が可能ですが、数万円を要するため本体購入金額と合わせると最新型のB&W600シリーズやソナスファベールのLumina1等が充分購入可能な金額となるため、現実性がありません。
ウーファーフレームのヒビ
正確にはウーファーフレーム(金属)に取り付けられた樹脂フレームのヒビ・割れの有無です。
本機種はウーファーの保護ネットを固定するため、金属フレームの上に樹脂フレームを固定しています。
音質には関連のない部分ですが、ウーファーの取り付けネジを増し締めする際、この部分に応力でヒビが入ることがあります。
(本出品者は画像で明確にしており、良心的と思います)。
極めて見落としやすいため要注意です。
スピーカーボックスの状態
傷の有無はもちろんですが、表面突板の角が剥離しているものは要注意です(以下画像参照)。Q-1は白木のため見落とし易いポイントです。
突板の接合方法にはランクがあり、低コストの場合時間を経てはがれてくるものがあります。
保管環境の温度・湿度が関連します。接着方法の良否のほか、突板と貼った木材の反りの違いなどが要因となります。
例えばYAMAHAのNS-1 Classicsなどはスピーカーボックスにコストが掛かっており、突板はがれはあまり見ませんが、このQ-1には個体により生じているものが散見されます。
内部はMDFのため湿気による反りは生じにくいことから突板の素材と接着によると思われます。仕上げが白木のため見落とし易いので要注意です。
なお上記のように保管環境で大きく変わるため湿度が低い常温の環境で保管されたものは今後も充分に美観を保てます。
高音ユニットの状態
メッシュのへこみやツィーター筐体の傷の有無はチェックが必要です。
これまで見たキズあり個体は、程度の差こそあれ高音ユニットの取付がグラついていました。
ツィーターのボイスコイルは慎重な取り扱いが必要となる精密な部分です。打撃が加えられたものは音そのものに悪影響があります。
ONKYO Q-1の仕様
B&Wがノーチラスチューブのようなリニアフェイズを採用する数年前に、位相整合のためのツィーターチャンバーをデザインしたことが特徴です。
メーカー・発売年次と定価
- メーカー:ONKYO
- モデル名・型番:Q-1
- 発売年次:1989年
- 定価:¥70,00(/ペア・JPY)
ONKYO Q-1の主要スペックと音質技術
ツィーターにアルニコマグネットを使用した、値段の割に贅沢な仕様であること、そしてカーボン振動板のバインダー(結合樹脂)の量も慎重に調整され、自然な音質を得ています。
- 形式:2ウェイブックシェルフスピーカー
- 外径寸法:W230×H456×D265(mm)
- 重量:9Kg(1本)
- インピーダンス:6Ω
- クロスオーバー周波数:1.2KHz
- 出力音圧レベル:89dB/W/m
- 再生周波数帯域:37Hz(低域下限)~45KHz(高音上限)
- ユニット構成
- 高域:チタンドーム(口径φ25・表面特殊処理・アルニコマグネット)×1
- 低域:16cmウーファー(カーボン振動板・フェライトマグネット)×1
製造メーカーの目でみるオーディオ機器としての寿命
オーディオ機器としての寿命を決めているのはウーファーのエッジ(Surround)とキャビネットの突板剥がれです。
いずれもQ-1に採用された製造技術としては限界に近づいています。
このうちキャビネットは状態の良いものを選ぶこと。
そしてウーファーエッジは(費用をかければ)修理可能です。
Q-1は愛好家の支持が寿命を延ばしている珍しいスピーカー。
中古のメリット・デメリット
最新ブックシェルフスピーカーとONKYO Q-1の比較
デメリットはウーファーエッジの破損、これは避けられません。2000年台にONKYOがメンテナンスした個体を運よく手に入れない限り、なんらかの方法でエッジ張り替えをすることが必要です。
メリットはその音質。
本機は中古となった後評価が高まったというオーディオ機器の好例。まさかONKYOもこのような廉価モデルを22年間もサポートすることになるとは思わなかったでしょう。
B&Wに先駆けたリニアフェイズ設計
国産機種にはままある例でベストバイと市場評価が異なるという典型例ですが、さらにこの機種特有の事情としてカーボン振動板を使ったスピーカーの中では珍しく音楽的であるとしてファンがついているモデルでもあります。
- B&Wより早く採り入れたリニアフェイズのデザイン
- 高域にアルニコマグネットを使いつつ低音の質感やレスポンスを揃えた
特徴的な高音部と白木のスクエアなエンクロージャーの組み合わせは、今ではB&Wと似ていると言われるものの完全にONKYOのオリジナルデザイン。
発売当時はB&Wがこの方式を採用していない時期です。
具体的にはちょんまげのようにツィーターユニットが載っていたのはMatrox801のみで、後年イメージされる小型スピーカーではMatrix HTM/805Vなどは91年の発売。
実験的にDM17という機種が1983年にリリースされていますがリニアフェイズ自体が売れないスピーカーとの認識があり当時は話題になりませんでした。
オンキョーはSeptor3001でも近似のデザインを採用するなど、かなり先駆的でもありました。
ネットワークも高域/低域で基板を分けてレイアウトなど、ペア7万円としては随分凝った仕掛けと思います。
また「カーボン振動板なのに音が良い」という珍しいモデルでもあります。この素材は80年代に最先端としてほとんどの国内メーカーが採用しましたが、その後廃れた素材です。
Usedでもあまり高評価のものはありません。
その中では珍しく音のファンがいるスピーカーです。音のまとめかたが上手かったと思います。
販売価格はペア7万円という制約の中でツィーターにアルニコマグネットを使っていること(B&Wでもアルニコマグネットは採用していません)。
また結果としてレスポンスの速くなったツィーターに合わせたウーファーのチューンとして、あえて吸音材を使わずバスレフダクトも背圧を抜く程度の動作に抑えているなど、経験値の高い設計のように思います。
カーボン振動板といってもカーボン繊維そのままを使うことはできず、コーンに成型するにはいわゆるバインダーと言われる樹脂を混ぜることが必ず必要です。
そのためカーボン振動板はカーボンではなくバインダー樹脂の音ではないかとすら言われていました。実際にそのようなギリギリまでバインダーの量を減らす設計が行われたカーボン振動板のスピーカーもあります。
個人的に何度か買おうと思ったスピーカーであります。オンキョーはここ数年経営方針が二転三転し今や倒産と寂しい限りですが、長期の低落傾向という状況下でありながらサービス部門の熱意ある対応(ONKYO大阪サービスセンター)が話題になるという会社でもあります。
「Onkyo HF Player」など、ハイレゾ配信に早くから取り組むなど音楽を理解している会社です。何かをきっかけに再評価されて欲しい思っています。