ELAC CL310 JET(またはCL310i JET)の中古価格と音質レビュー情報。
ハイルドライバーとアルミニウムによる小型高精度のキャビネットが作り出す深く広い音場表現は秀逸です。フルレンジスピーカーで聴くような錯覚があります。
アフターサポートも充実しており、ドイツ製品そのものといえるスピーカーです。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古ELAC CL310 JETの重要な基準である「コンディション」「人気」そして「中古価格」は以下となります。
- 落札価格:¥73,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(142人)
- コンディション :★★☆(Average)
- ELAC/エラック CL310 i JET スピーカーペア スタンド付き
- 出品者:PLAYMART
- 総合評価(良い):99.7%(5,639件中)
- 開始価格 5,000 円(税込 5,500 円)
- 開始日時 2024.10.03(木)19:10
- 終了日時 2024.10.10(木)22:37
- オークションID n1155406666
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ELAC CL310JETの音質とは
発売当初は地味な取り上げ方がなされ、その後評価が高まっていったモデルです。
メディアで取り上げられる前に市場の人気が高まったという珍しい例。
日本市場におけるELACの参入は2度目ですが、初回時よりも成功したと思われます。すべてはCL310JETの評価がきっかけです。
同社としても会心の作であったようであり、マイナーチェンジを重ねて18年間製造された末、「BS312」にアップグレードされています。
オーディオ雑誌と評論家の過去レビューまとめ
季刊Stereosound(No129)において製品レビューがなされています。1999年の選考には間に合いませんでしたが、2000年のC.O.T.Y(Components of the year)に選出されています。
- 小型で、しかも精密。音質がデザインにはっきりと現れている。
- 「JETツィーター」と名付けられたハイルドライバーは過渡特性に優れ、さわやかな音質を支配している
- ウーファーの応答性が機敏。ツィーターとウーファーの音色が見事に揃っている。
- アルミを多用した設計だが固有の共振音がしない。超小型という制約がありながら高度にコントロールされた音質。
- 最小面積のバッフルによる点音源化が成功し、音場・音像ともに精巧そのもの。小中音量での再現性はトップクラス
- 大きさに対して不釣り合いなほどの低音が出る。耐入力が高い。
- このモデルは専用スタンドを含めて音質設計がなされている。単体での使用は適切ではない。特徴である音場感を損なう。
なおCL310JETは世界的にも評価が高い。
注目されたELAC CL310JETの技術と現実の評価や人気・小型で高品質そしてハイルドライバーという成功条件
高性能かつとても小さい、といういかにも日本人好みの内容です。
最小バッフルによる点音源方式を活かしきった緻密な音場表現は、ELACのブランド名に馴染みのない音楽ファンの支持を集めました。クラシック音楽に絶好とされています。
高域にハイルドライバーを使ったこともCL310JETの評価には有利に働いた。日本市場では高域の質感表現についてことのほか厳しい評価がなされますが、ハイルドライバーは歴代評判が良く、CL310JETもその傾向通りの人気となりました。
精密な製造品質は耐久性も良好であり長く初期の音質を維持することから、良品の中古は高い人気を集めます。
最新のELAC CL310JET 中古相場データ
(2024.10)
専用スタンド付き良品で¥70,000強という中古相場。本体とスタンドを別々に購めると少し割高になります。
デザインの良さが評価されているだけに、傷のあるものは動作正常でもかなり安くなります。
なおELACは後継モデルの「BS312」をリリースした際、過去の310シリーズすべてを有償アップグレードの対象としています。
アップグレード済み製品の中古は上記より更に高い。
オークション相場と最新の出品データ
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
3ヶ月以上前のヤフーオークション落札履歴については、以下の各年度まとめをご参照ください。
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当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
(2024年)過去のオークション落札履歴
- 落札価格:¥(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★☆(94人)
- コンディション :★☆☆(Poor)
- エラック スピーカー CL 310 i JET ELAC
- 出品者:TERESATEN1030
- 総合評価(良い):100%(288件中)
- 開始価格 1,000 円(税 0 円)
- 開始日時 2024.08.16(金)16:41
- 終了日時 2024.08.23(金)23:44
- オークションID q1148923221
- コンディション説明:
- シリアルNo:不明
- 動作未確認
- 傷・汚れ多数(テープ痕あり)
- 前面ネットにへこみ
- 専用スタンドなし
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- 落札価格:¥6750(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★☆☆(17人)
- コンディション :★☆☆(Poor)
- エラック スピーカースタンド ELAC CL 310 i JET
- 出品者:TERESATEN1030
- 総合評価(良い):100%(288件中)
- 開始価格 1,000 円(税 0 円)
- 開始日時 2024.08.16(金)16:46
- 終了日時 2024.08.23(金)23:47
- オークションID d1148918494
- コンディション説明:
- スタンドのみの出品
- シリアルNo:不明
- 傷・汚れ多数
- テープ痕あり
- 錆が浮いている
- パイプ内に小石が充填されている
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8月 16日 16時 46分 | オークション開始。数量: 1 で 1,000 |
- 落札価格:¥69,100(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★☆(97人)
- コンディション :★☆☆(Poor)
- エラック スピーカースタンド ELAC CL 310 i JET
- 出品者:PLAYMART奈良橿原店
- 総合評価(良い):99.6%(3,113件中)
- 開始価格 3,000 円(税込 3,300 円)
- 開始日時 2024.05.07(火)18:04
- 終了日時 2024.05.12(日)22:27
- オークションID j1135463986
- コンディション説明:
- シリアルNo:0210031943/不明
- 動作確認済み
- 専用スタンド付き
- 前面ネットに傷
- キャビネットに小傷
- スタンドに傷
オーディオショップの中古価格(ハイファイ堂・オーディオユニオンほか)



よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★★☆(Average)』。わずかながら天板にくもりがあります。
シリアルNoについて明確な情報がないこともマイナスです。
出品されたELAC CL310JETのコンディション
※クリックして画像拡大

- シリアルNo:CL310I017086
(Good)
- 動作確認済み
- 専用スタンド付き
- スピーカーユニットに傷なし
- 前面ネット(金属製)にへこみなし
(Bad)
- キャビネット天板に曇り(汚れ)
※クリックして画像拡大

- シリアルNo:不明
(Good)
- 動作確認済み
- 専用スタンド付き
- スピーカーユニットに傷なし
- 前面ネット(金属製)にへこみなし
(Bad)
- キャビネット天板に曇り(汚れ)
- シリアルNo不明
「買ってはいけない」中古ELAC CL310JETのポイント・デスクトップ向けのスピーカーではない
注意するべきは2点
- 専用スタンドのないものは避ける
- 著しい傷やネットなどの付属品が欠品しているものは避ける
小型ゆえ誤解されていますが、CL310JET(そして現在のBS312も)デスクトップ用のスピーカーにはなりません。
奥行きが深すぎ、しかも最大の特徴である音場表現を著しく損ないます。
空中に浮いたようにセッティングすることがポイントです。
つまり専用スタンドを含めて購入するべきであり、ない場合中古としての価値は明らかに減じます。
ELAC CL310JETの仕様
ELACが日本市場に再度の挑戦を試み、成功したきっかけとなったモデル。
小型ですがその緻密な製造品質が「小さい高級品」を好む日本人に支持されました。
なおELAC CL310 JETは「ELAC CL310.1 JET」または「ELAC CL310ⅰ JET」とも呼称されています。
これは製品本体の銘板記載があるものとないものがあるため。
メーカー・発売年次と定価
- メーカー:ELAC
- 輸入代理店:ユキム
- モデル名・型番:ELAC CL310JET
- 発売年次:1999年
- 定価:¥270,000(/ペア・JPY)
CL310JETの主要スペックと音質技術・ハイルドライバー、しかも全てを自社内で製造することによる高品質
いかにもドイツらしくELACのスピーカーはユニットを内製することで高音質を実現しています。
ロングストロークのウーファーは歪みが出やすいものですが、CL310JETは異例のクリアな音質を実現しています。
- 主要スペック
- 再生方式:2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
- 使用ユニット
- 高域用:JETツィーター
- 低域用:11.5cmコーン型(TT115KST)
- 周波数特性:42Hz~30kHz
- インピーダンス:4Ω
- 定格入力:70W
- 最大入力:90W
- 出力音圧レベル
- 86dB/2.83V/1m
- 83dB/W/m
- 推奨アンプ出力:50W~150W
- クロスオーバー周波数:3.3kHz
- 外形寸法:幅123x高さ208x奥行282mm
- 重量:5.5kg
- 別売:スピーカースタンド Z800/A(silver)、Z800(Black)
- スペック上の注目ポイント
- 使用されるスピーカーユニットは設計から製造まですべて自社内で完結
- JET(Jet Emission Tweeter)ツィーター
- ハイルドライバーを原型(ベンディングウェーヴ方式のプリーツ状ダイアフラム)
- ネオジウムマグネット
- ロングストロークのウーファー(TT115KST)
- パルプコーンにアルミ製コンケーブ型振動板(0.2mm)を貼り合わせたハイブリッド構造
- フェライトマグネット仕様
- 6.5mm厚のアルミ押し出し材を使用したキャビネット
- フロントバッフルとリアバッフルにはそれぞれ分割して構成され、互いの共振による干渉を抑制
- 最小面積のバッフルとすることで、ピンポイント音源を実現
- キャビネットの奥行きを深く(280mm)とり、内容積を確保
- バスレフポートはラウンド形状により風切り音を抑制
- 専用スタンドとネジにより一体化させることが可能
- バイワイヤリング対応
製造技術からみたオーディオ機器としての寿命・BS312と部品共用化
ELAC CL310JETのオーディオ機器としての寿命は長い。
中古事例を数多くチェックしましたが、モデル特有の不具合というものがない。主要な部材を自社内で製造しているメリットが品質管理面でいかんなく発揮されています。
上述のように「BS312」へのアップグレードサービスなど、部品の共用化も図られておりパーツの欠品で困るということもない。
留意するべき箇所があるとすればウーファーのゴムエッジ劣化ですが、当面問題はなさそうです。
なお中古CL310JETの中には塗装面にひび割れが見られるものがありますが、稀な例のようです。
ELAC 310シリーズの歴史・「CL-310JET」から「BS-312.2」まで
310シリーズは販売期間が長く限定モデルも多くリリースされています。多く混乱しがちなのでまとめました。
- 1997年:CL310JET
- 1999年:CL310 AUDIO EDITION
- シリーズで初めての特別仕様
- ネットワークと内部配線をアップグレード
- ツィーターのネットワークにMKTフォイル抵抗
- ウーファーセクションにはHQオーディオ・フェライト・インダクター(コイル)
- 2003年:CL310 JUBILEE
- 250セット限定生産(日本では70セットを販売)
- 特別仕様のスピーカーユニット
- ウーファーはマグネット(フェライト)を2枚搭載し磁束密度を向上
ネオジウムマグネットも追加
- ウーファーはマグネット(フェライト)を2枚搭載し磁束密度を向上
- 2003年:310.2 JET
- 限定ではなく、正式のマイナーチェンジモデル。
- ウーファーをダブルマグネットとし、カプトン製コイルボビンを採用
- ツィーターは「JET 2」
- 2005年:310 ULTIMATE EDITION
- 100セットの限定生産
- 専用のアルミケース付き
- 2009年:310CE/TS・310CE/HB
- ウーファーに新開発「AS-XR クリスタルライン115mmドライバー」を採用
- ツィーターを「JET 3」に更新
- 2010年:310 IB
- 「310CE/TS」「310CE/HB」をもとにネットワークを新設計
- エアーコイル(空芯巻)のインダクター
- MOX Resistor・PP-Aコンデンサー
- 内部配線はChord社のRumor2
- 「310CE/TS」「310CE/HB」をもとにネットワークを新設計
- 2013年:BS 312にフルモデルチェンジ
中古ELAC CL310JETのメリット・デメリット
- メリット:点音源化による高度な音像・音場表現とドイツ製らしい高品質。長期サポートも魅力。
- デメリット:低音のレンジは低く伸びているが、超小型スピーカーであるためレベルは低い。「盆栽的」ともいえるこぢんまりした表現
- 最新コンパクトスピーカーとの比較:初代モデルながら完成度は高く、最新のコンパクトスピーカーと比較しても解像度や音場表現は全く見劣りしない
最新のBS312は初代モデルであるCL310JETと外観上の大きな変更がありません。
「310」シリーズは登場時点で練り上げられていたことがわかります。最新のコンパクトスピーカーと比較しても優劣の指摘は難しい。
ELACが「BS310」へのバージョンアップサービスを行ったことも、基本設計は長く第一線で使えるものであることを表しています。
最新コンパクトスピーカーと比較したELAC CL310JETの音質・アルミニウムとハイルドライバーが合体
アルミニウム、そしてハイルドライバー
この2つを活かしきったことがELAC CL310JETの音質を決定しています。
ある意味「高音を元に作り上げた」音。
過渡特性に優れたハイルドライバーの音色に合わせるようにウーファーの振動板とキャビネットの共振音を利用しています。いわゆる「シャープでハイスピード」です。
アルミニウムを使ったことは、木質系のキャビネットにはできない小型化を実現しました。
超高域まで伸びたフルレンジスピーカーというべき音色のまとまりと定位の良さです。