ROGERSがLS3/5Aをリバイバルするかたちで作られたStudio3のYahooオークション落札価格情報。
同社の経営が香港資本に移り開発力も衰えた時期でありセールスは低調でした。したがって中古の流通も少ないのですが手軽に英国スピーカーを楽しめるモデルです。
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失敗しないRogers Studio3の中古選びに必要な8つのデータ
01
3つの落札情報(価格・人気・コンディション)
中古コンディションとしては平均的であり、人気を集めるオークションとなりました。しかし落札価格は伸びなかった、出品者の評価が低いことと情報不足が原因と思われます。
02
オークション価格データベース・過去の落札履歴とリアルタイム出品情報
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
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03
オーディオショップの中古価格(Rogers Studio3)
ハイファイ堂・オーディオユニオンの中古価格
その他オーディオショップ・中古オーディオの販売価格
「正しい価格」はどちらか・オーディオショップとオークション
Rogers Studio3の中古価格は、オークションを参考にしたほうが正確です。
オーディオショップよりも流通数が多く、その時の人気を正確に反映しているからです。
小型であるため個人が宅配業者を利用しやすい大きさと重さであることも中古のRogersがオークションに流れ込む要因となっています。
04
初回入札から落札まで・ウォッチリストと出品者情報
Rogers Studio3・中古オーディオとしての人気と入札/落札履歴
出品URL(Yahoo オークション)https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j1119630784
- 落札価格:¥40,500(JPY)
- ウォッチ件数:112人
- 落札日時:2024.01.03(水)23:29
- オークション開始日時:2023.12.31(日)13:36
- 開始価格: 300円(税込 – 円)
- 入札件数:44件
- 出品地域:東京都
- オークションID:j1119630784
- 詳細な入札履歴(以下参照)
出品者情報(ID・名前・評価)
個人の出品です、評価が良くないため人気(ウォッチリストの数)に対して落札価格は伸び悩む結果となりました。
- 出品者
- 出品者ID:けん
- 出品社名:ー
- URL:https://auctions.yahoo.co.jp/jp/show/rating?userID=tokyo_loose2006
- 評価(良い):98.3 %(取引 527件中・ 2023年 3月時点)
05
コンディションにみる『よくある故障・不具合』の特徴
コンディション判定『★★☆(Average)』の個体。傷はあるものの使用には問題のない中古Rogersです。
商品情報は不備があり、シリアルNoや細部を確認する画像がありません。
中古オーディオとしてのコンディション(キズ、故障など)
※画像クリックで拡大表示可能
- シリアルNo:不明
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み
- スピーカーユニットに破損なし
- 保護ネットにほつれなし
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- キャビネットに傷・汚れ
- シリアルNo:不明
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み
- スピーカーユニットに破損なし
- 保護ネットにほつれなし
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- キャビネットに傷・汚れ
「買ってはいけない」中古の特徴と注意したいポイント
基本的に頑丈な作りであるRogers Studio3で注意すべきポイントは少ない。
- ポリプロピレンウーファーの振動板(劣化し波打ってしまうことがある)
- ウーファー振動板のエッジ(Surround):ゴム製のため劣化は少ないが割れることはある。
- キャビネットの傷
- サランネットのほつれ・やぶれ
ネットワークと高域(ツィーター)についていえば劣化する部分はありません。
なおRogersの衰退期にあたるモデルとはいえ、左右スピーカーの出力特性はペアリングされ出荷されています。
つまり壊れたStudio 3から部品取りをして修理することはできない。
06
カタログスペック・製造メーカー視点で見たの音質技術
BBCモニター「LS3/5A」の生産終了にともない、その後継として企画されたモデル。
『LS3/5』に酷似した設計。というより当時のロジャースは開発力が低下しており、成功したモデルを踏襲する以外の手段はなかったということが真相です。
メーカー・発売年次と定価
Rogersが香港資本に吸収された時期にリリースされています。
日本においてはロジャースジャパンという法人を設立・販売しましたが、それまでのディーラー網を引き継ぐことができず人気のないモデルとなってしまいました。
- メーカー:Rogers
- モデル名・型番:Studio 3
- 発売年次:1996年
- 定価:¥130,000(/ペア・JPY)
主要スペックと音質技術の特長
LS3/5との大きな違いは使用されたユニットにあります。それまでのKEF製からRogers内製/Scan-Speakに変わりました。
製造コスト削減の目的であったと思われますがKEFの音を熟知した日本のユーザーからは不評であったといわれています。
- 主要スペック
- 2ウェイ・密閉方式・ブックシェルフ型
- 低域用:11cmコーン型(Rogersオリジナル)
- 高域用:1.9cmドーム型(Scan-Speak)
- 再生周波数帯域 80Hz~21kHz ±2dB
- 大きさ:幅190x高さ302x奥行162mm
- 重さ:5.0Kg(/本)
- 入力インピーダンス: 8Ω
- 能率:85dB/2.83V(RMS)
- クロスオーバー周波数 3kHz(18dB/oct)
- 最大許容入力 45W
- 音質技術の注目ポイント
- ほとんどLS3/5といっていいほどの共通した設計
- BBCモニターに準拠して厳密な製造管理が行われている
- ネットワーク関連はパーツ・ケーブル共に高品質な仕様にされている
Rogersの経営不振時代に作られたStudio 3
Studio 3に不幸だったことは、会社としてのロジャースが不振であった時代に企画・生産されたモデルであったこと。
発売は香港資本になった3年後です。日本代理店も20年来の付き合いがあったオーデックスジャパンを外す措置が取られ訴訟にまで発展してしまいます。
メーカーとして開発能力も低下しており、新製品とは言いながら現実には長く作り続けたLS3/5の設計を踏襲するより他にありませんでした。ある意味中古を求めるユーザーにとっては朗報とも言えるのですが。
アンプ群に至っては旧山水電気のOBに助力を仰いてリリースする有様であったことが、イシノラボの紹介に詳しい。同じ時期に山水電気はスペンドールの代理店にもなっていますが、スペンドールの内情もRogersと同じ惨状でありセールスは不振であったといわれます。
付け加えるならば、1990年代後半から2000年初期にかけ、SpendorやWHARFEDALEといった英国の名門オーディオメーカーの多くが経営危機に陥り投資ファンドに買い取られています。
例外はB&W(Bowers and wilkins)ですがこちらも2016年に買収されてしまっています。
英国はどうやら製造業が苦手らしいと、メーカー出身として感じる次第です。
07
Rogers Studio3のレビューデータベース・オーディオ雑誌の紹介記事
日本のオーディオ雑誌ではおおむね好評のレビューが載っています。
これはRogersに限りませんが、日本人の評論家は英国製のオーディオについて批判することはまずありません。
抑制の効いた音質が日本人の好みに合うことは間違いありませんが、イギリス製のオーディオに関してはレビュー全体に偏ったところも見受けられるため注意が必要です。
発売時に注目された音質技術と実際の評価・評論家による試聴エピソード
刺激的な音調を嫌うことで有名だった故 入江純一郎(Jynichiro Irie)氏と金子英男(Hideo Kaneko)氏からかなりの高評価を得ています。
- 再生周波数帯域はさほど広くはないがバランスの偏りがなく強調されていない自然な良さがある。
- ダイナミックレンジはさほど取れないためプロ用モニターというには無理があるが、家庭用としてみれば質感が高くリアルな楽器の響きを感じさせる。
- バランスの良さと刺激的な音を出さず解像度を上げた設計はこのサイズでは難しいスケールの大きさを感じさせる。素晴らしいスピーカーである。
現実にはLS3/5の後継モデルというには質感が少々見劣りするという印象をもったオーディオ愛好家が多かったようです。
セールスははっきり不調であったといわれています。
08
中古オーディオのメリット/デメリット・最新オーディオと比較した音質
新品時の評価はさておき中古オーディオとしてのRogers Studio3はなかなか魅力的なスピーカーです。
なにより中古価格が安く、しかも同じとはいえないにせよLS3/5に準じる音質をもつスピーカーであることは間違いがありません。
LS3/5の後継モデルと宣伝してしまったことが不人気のもと
デメリットはLS3/5の後継であると喧伝してしまったこと。
何かにつけBBCモニターの名機と比べられてしまい、中古を選ぶことさえ予算の都合で仕方なく選んでいるような錯覚を買い手に持たせてしまっています。
確かにRogers Studio3にかつてのLS3/5を求めるのは無理がある。
しかし虚心に聴けば滑らかで暖かい高音質です。
しかもこの価格帯には珍しく左右の出力特性を揃えるといった品質管理がなされており、ステレオイメージは良好です。
Studio 3の不幸をさらに挙げるならば、日本はLS3/5大国ともいえる市場であったことです。
極めて人気が高く、愛好家の知識量も多い。
日本市場においてStudio3をBBCモニターと喧伝することは、かえって誇大宣伝と見られてしまうのです。
LS3/5の人気から評論家やオーディオ雑誌もStudio 3を「廉価版」とはレビューできず、むやみにほめたレビューばかりとなったことがかえって逆効果となりました。
その背景を知ればStudio 3の中古相場はかなりのお買い得ともいえます。
年月を経て冷静に評価されていいスピーカーです。
落札価格(JPY):¥40,500