平面スピーカーとして恐らく最も販売数が多いモデルのひとつであるSB-RX70のYahooオークション落札価格情報。
その完成度は高く、技術仕様はSB-C600/700そしてSB-G90M2とほとんど変わらないものです。
目次 ー時間がない人のためにー
➡︎ 評論家の音質レビュー
➡︎ 中古相場データ
➡︎ 中古のメリット・デメリット
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重要・3つのヤフオク落札履歴
中古SB-RX70における最大のチェックポイントである「ウーファーのエッジ(Surround)」が良好です。
- 落札価格:¥33,750(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(118人)
- コンディション :★★☆(Average)
出品URL(Yahoo オークション)Technics テクニクス SB-RX70 スピーカーペア (https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k1119336314)
落札価格:¥33,750(JPY)
- 開始価格: 3,000円(税込 – 円)
人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。
落札日時:2024.01.04(木)22:19
- 出品日時:2023.12.28(木)16:42
ウォッチ件数:118人
- 入札件数:42件
- オークションID:k1119336314
- 出品地域:奈良県 橿原市
- 詳細な入札履歴(以下参照)
出品者情報(ID・名前・評価)
買取業者による出品。買取件数が多く、常に入札開始価格を安く設定しているため、その時々の人気・中古相場を知る上で参考になります。
- 出品者
- 出品者ID:yuasazidousya
- 出品社名:株式会社湯浅
- URL:https://pgchpjp9r.jbplt.jp
- 評価(良い):99.4 %(取引 25,189件中・ 2024年 3月時点)
Technics SB-RX70の音質とは・平面振動板特有の立体的な音像/音場
平面振動板特有の立体的なステレオイメージが高く評価されていたモデル。
評論家からのレビュー以上に市場での支持が高かった、という日本市場では異例の来歴があります。
オーディオ雑誌や評論家など過去レビューにみるTechnics SB-RX70
1989年のStereosound誌ベストバイランキングでは10位。評論家の菅野沖彦(Okihiko Sugano)氏から高い評価を得るなど実力は高かった。
突き詰めればこれほどの音が出せるのに一時期の平面振動板スピーカーのブームはどこにいったのか、と評論家をして嘆かしめるほど、Technics SB-RX70の音質は美音として評価されています。
- 音色は淡色・淡彩だが、広大な音場にリアルに再現される音像が印象的。
- 色濃い音色ではないが、情報量が多く緻密な表現ゆえに薄味ではない。
- 他にない立体的なステレオイメージとテクニクスらしい滑らかな表現は独特のリアルさと繊細さを感じさせる。
店頭の試聴でも容易に実感できるほどの音質であったことから、地味なモデルながら販売数は実績を残しております。
なお平面振動板は1980年代の流行を経て、90年代は松下Panasonicを除きほとんどのメーカーが撤退しています。
TechnicsもSB-RX70の後この分野から撤退しており、FALのようなガレージメーカーが販売するのみとなります。
最新のTechnics SB-RX70 中古相場
Yahooオークションの出品例から、多くの注目(ウォッチ数)を集めた落札例について、落札価格から入札ー落札までの詳細履歴に至るまでアーカイブしています。
オーディオ関連Yahooオークションの中古相場と最新の出品データ
現在ヤフーオークション出品中のTechnics SB-RX70については以下のリンクから検索可能です。
3ヶ月以上前の落札履歴については、後述の各年度まとめをご参照ください。
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
なおYahooオークションの落札履歴はYahoo規約により最大3年で抹消されます。
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
(2024年)過去のオークション落札履歴
- モデル名:Technics SB-RX70
- 落札日時 : 2023.11.22(水)22:10
- コンディション :★☆☆(POOR)
- 落札価格:¥40,501(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(185人)
- 入札数:43件 (以下ダウンロード)
- 詳細な出品/落札情報(ダウンロードリンク)
- モデル名:Technics SB-RX70
- 落札日時 : 2023.05.24(水)20:42
- コンディション :★★☆(AVERAGE)
- 落札価格:¥36,500(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★☆(62人)
- 詳細な出品/落札情報(ダウンロードリンク)
オーディオショップの中古価格(ハイファイ堂・オーディオユニオンなど)
日本のオーディオショップによる売買履歴です。
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★★☆(AVERAGE)』。ウーファー振動板の外縁にある白いラインが気になりますがエッジ(speaker surround)が断裂する兆候は見られず当面の心配はないと思われます。
ウーファー部のエッジはこのモデルの弱点ですが、いまだ修理する人がいるほど熱心なファンがいます。
中古オーディオとしてのコンディション(キズ、故障など)
「買ってはいけない」中古のポイント
中古Technics SB-RX70の良否を見分ける方法はシンプルです。
- スピーカーユニットの振動板に傷がないこと
- ウーファーのエッジ(speaker surround)に亀裂や剥がれはないか。
- キャビネットの傷や汚れの程度
- 保護ネットの有無
SB-RX70に限らず、平面振動板スピーカーは「手で触れてみたい衝動」が起きやすいらしく触られて傷ついた中古が多い。
どんなに技量のある修理業者でも振動板の傷だけは修理不可能です。
なお今回の個体のようにシリアルNoが不明である個体は避けたい
Technics SB-RX70の仕様・最後の平面振動板スピーカー
新品のベストバイランキングは中程度ながら長く人気を保っているモデル。
理由は現代的な平面振動板、そして同軸型スピーカーであること。
音場やステレオイメージを決定する位相特性の技術としてはある種理想ともいえる組み合わせを実現したスピーカーです。
当時の松下電器はこの技術を量販価格帯で実現しようとチャレンジしていました。
平面振動板スピーカーとしては最後期のモデルとなります。
メーカー・発売年次と定価
ローエンドにSB-RX30・SB-RX50、そして上位機種のSB-RX100というラインナップにおける中堅モデル。
- メーカー:Panasonic(松下電器産業)
- モデル名・型番:SB-RX70
- 発売年次:1988年
- 定価:¥70,000(/台・JPY)
- 日本における物品税廃止に伴い1989年に¥65,000(JPY)へ改定
注目されたTechnics SB-RX70の音質技術・ピュアマイカ平面振動板による特性改善
原理としての平面振動板はコーン型に比べて剛性が取りづらいという基本的な制約があります。
曲がりやすく分割振動につながる。
そのためSB-RX70はピュアマイカを用い、さらにハニカム構造の振動板とすることで剛性を確保しています。
- 主要スペック
- 大きさ:幅300x高さ480x奥行280mm
- 2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計
- 重さ:20Kg(/本)
- 能率:86dB/W/m(Ω)
- 使用ユニット 全帯域用:2ウェイ同軸型
- 低域用:24cm平面型
- 高域用:2.7cm平面型
- インピーダンス:6Ω
- 再生周波数帯域:30Hz~50kHz -16dB
- クロスオーバー周波数:2kHz
- 許容入力 200W(MUSIC)・100W(DIN)
- 別売:スピーカースタンド SH-B70(2台1組、¥40,000)
- 外形寸法 幅350x高さ365x奥行308mm
- 重量 5.5kg
- スペック上の注目ポイント
- 平面振動板かつ同軸構造のスピーカーユニットを開発し、リアルなステレオイメージを再現
- 24cm平面振動板ウーファー
- 2.7cm平面振動板トゥイーター
- 振動板にはピュアマイカを採用し剛性と軽量を実現
- マグネットはウーファーがフェライト、ツィーターには当時のオーディオでは珍しかったネオジウムを採用
- ツィーター:コア材にピュアマイカ、スキン材にダイヤモンドコートマイカ
- 大口径ボイスコイル(直径60mm)
- ダイカストフレームの前面をラバーガスケットで覆ったシールデッドフレーム
- 高音質素材を使用したネットワーク
- 内部配線はクラス1のLC-OFCケーブル
- コイルは防振のためワニスを塗布
- ネットワークは低域・高域を分割して相互干渉を低減し、防振材を介してキャビネットに取り付け。
- キャビネットはフロントバッフル用に30mm厚、その他には25mm厚の板材を使用
- 平面振動板かつ同軸構造のスピーカーユニットを開発し、リアルなステレオイメージを再現
中古Technics SB-RX70のメリット・デメリット
- メリット:平面振動板特有の立体的なステレオイメージ
- デメリット:ウーファーのエッジ修理が必要な可能性が高い
- 最新ブックシェルフスピーカーとの比較:SB-C600/700そしてSB-G90M2と変わらない構造
最新ブックシェルフスピーカーと比較した音質・Technics SB-RX70はSB-C600/700とほぼ同じ
メリットは現代のパナソニックがリリースしている平面振動板スピーカーとなんら変わらない仕様であること。中古とはいえ4万円台で手に入ることは大きな魅力です。
デメリットは、強いて挙げるならばスピーカーユニットのエッジ(speaker surround)断裂です。
しかし修理して使うオーナーさえいる。
平面振動板スピーカーとして未だ一級・SB-C600/700そしてSB-G90M2は1980年代の技術仕様で作られていると言って良いほど
結論を先に申せば、現在のテクニクスブランド「SB-C600/700」そして「SB-G90M2」における技術仕様は、ほとんどこのSB-RX70に尽きています。
マイカ振動板に至っては、むしろ旧作のほうがコストが掛かっているといって良いかもしれません。
平面振動板スピーカーとしてはいまだ一線級です。
平面振動板は指向性が狭く、言い換えれば音の直線性が高く、スピーカーの位置調整が厳密に行われた場合、独特のリアルな音場を再現します。
SB-RX70は、加えて中高域を1つのユニットで再現する同軸構造。
ハイレゾやMQAなど現代のオーディオには最適のスペックであり、2014年にパナソニックが「Technics」ブランドを復活させたとき、要となるスピーカー技術はSB-RX70の世代に求めるしかなかったようです。
なお現時点(2024年3月)までテクニクスブランドは残念ながら赤字です。1980年代の技術から目新しいものがないため高級オーディオ分野での人気は今ひとつ。
現在のテクニクスブランドの価格を見た時、中古のSB-RX70がより魅力的に見えることは致し方がないのかもしれません。