タンノイRHR Limited・ヤフオク落札情報(ユーズド品)

Tannoy RHR Limitedが出品されたので記録します。同軸ユニットによるバックロードホーンはオートグラフ直系です。スピーカーユニットのエッジが崩壊しているものも多い中、これはコンディションがよく、今後良品を選ぶ上でも価格の目安となると思われます。

落札情報・タンノイRHR Limited(ヤフーオークション)

  • 落札価格:終了後別途記載
  • 落札日時(予定):2021.07.19(月)21:36
  • サイトURL(リンク先・ヤフーオークション):
ヤフオク! - 日本最大級のネットオークション・フリマアプリ
  • 出品者:ウエスト(Tunagu株式会社)(ID:tunagu5555)
  • ウォッチ数:122件(7月15日現在)
  • 落札件数:終了後別途記載
  • 落札履歴詳細:終了後記載予定

スペック・諸元

  • 発売時期:1988年
  • 販売当時価格:¥1,870,000
  • 外形サイズ:W720×H1115×D575(mm)
  • 重量:75Kg(1本)
  • 能率:92dB
  • 方式:2ウェイスピーカー・バックロードホーン方式
  • ウーファー:φ38cm・西独クルトミューラーコーン
  • ツィーター:ホーン型
  • その他詳細(リンク先・オーディオの足跡”Tannoy RHR”)https://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/rhr-n.html

80年代の、まだ英国製造が可能だった時期に製造された60周年アニバーサリーモデルです。音楽評論家の東条碩夫(とうじょうひろお)氏の愛用機でもありました。
本機は人気が高く、合計3種がリリースされています。

  • RHR(¥1,500,000)
  • RHR Limited(¥1,870,000) ※今回の出品機種
  • RHR Special Limited(¥2,500,000)

3機種の一番の違いはエンクロージャーとなります。RHRとRHR Limitedがパーティクルボードにウォールナット突板であるのに対し、Special Limitedは桜合板にウォールナット突板仕上げであり音質にはかなり差があります。

出品物コンディション・タンノイRHR Limited(ヤフーオークション)

本来Special Limitedを狙うところではありますが、本個体はコンディションがよく検討の価値があります。

  • シリアルNo:000049/000058
    比較的初期の生産品と思われます。
    その他のユーズドもそうでしたがシリアルは連番でないことが普通のようです。
  • 外装:画像で確認できる傷なし
  • ユニット:エッジは画像から確認する限り良品。温度・湿度の良好な条件下で使われていたか、交換済みの可能性があります。
  • 改造の有無:画像では確認できません。背面端子ならびにホーン開口部にあるネットワークケーブルもオリジナルのため、恐らくはネットワークもオリジナルと思われます。

中古の確認ポイント

内外装が綺麗かどうかが判断のポイントとなります。外装のフィニッシュが良いだけに個体の来歴が自ずと現れる部分です。

傷ありや全体的にヤレたものは管理状態の悪さが内部にも及んでいたり改造されたものもあります。本機に限らずタンノイ80年代以降のタンノイについてはショップで有償の改造を請け負うケースもありました。
好みはさておき改造品は市場の評価としては低くなるためチェックが必要です。多くの場合改造した旨の情報は無いため外観を入念に確認する、または出品者への確認が必要となります。

  • 外装:傷がないか、またオイル等を塗られたあと(全体的に湿ったような濃い色合い)出ないか。
  • ユニット:エッジは破損していないか(タノプラスサラウンドは経年変化で変質・崩壊する)。コーンに傷はないか。
  • その他:ホーン開口部のケーブルはオリジナルか。背面端子は交換されていないか(改造の有無確認)。

なお本機に限らずタンノイに関しては手入れとしてワトコオイル等のワックスを塗布してしまうケースがありますが、これはユーズドとしては傷の扱いとなるので注意が必要です。

機種インプレッション・タンノイRHR Limited(ヤフーオークション)

1988年に発売された機種(RHR)ですが、人気が高かったことからその後グレードアップを重ねつつ合計3種のバージョンが発売されています。

タンノイの伝統的手法(リヤバックロードホーン)を手堅く踏襲したものであり初期RHRより音の完成度が高い。
その後のLimitedは微増程度の音質変化でありましたが、最終のSpecial Limitedはエンクロージャ材質を大幅に改善し初期のRHRからかなり音のグレードが上がっています。

タンノイは日本での販売に頼るところが多く、恐らくは輸入販売を行っていたティアックの意向もバージョンアップに大きく働いたものと思われます。

なお当時はタンノイが東南アジアでエンクロージャーを製造した頃であり、本機の調達先に関し真相は不明です。組み立てのみスコットランドの可能性もあります。
Rogers等の老舗メーカーが英国の製造コスト高騰で衰退していた時期でもあります。「英国製造」という言葉をそのまま受け取るべきでないと思われます。

音質については同軸ユニット+バックロードホーンという構成ですが、JBLとは異なり音のチューニング自体は完全なタンノイサウンドでありました、ゆったりとした音質です。
能率が高く比較的鳴らしやすい仕様も特徴です。

なお正面ドロワーに収納されたレベルコントロールですが、内容はアッテネーターでありMaxポジション(「+」の最大ポジション)で使うと減衰損失を最小限に抑えることができます。

この機種が発売されていた時期海外ではホーンはどちらかといえば古く古典的と思われ人気がなかったのに対し、日本ではかなりの支持を集めました。

こんにち音を聴く限り日本での評価のほうが正しかったと思われます。聴きやすい自然な音だが表現力があるという現代のハイエンドの方向です。

タンノイの中でもWerstminstor Royalと並んで大事に使われることの多い機種ですが、30年以上を経てさすがにコンディションの良いものは少なくなりました。
本案件のような状態は「良品」であり検討してみたくなるコンディションです。

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