Victor SX-1000 LABO(スピーカー)・ヤフオク落札情報

中古オーディオ

ここ1年ほどのなかでは状態の良いVictor SX-1000 LABOが出品されたので記録します。ハイエンドの国産スピーカーでも上位に位置付けられる音といっていい機種です。
またあまりに造りに凝ったエンクロージャの仕上げから、中古になってからトラブルの生じた機種でもあります。

落札情報・Victor SX-1000 LABO(ヤフーオークション)

  • 落札価格:¥580,000(JPY)
  • 落札日時:2021.07.19(月)21:13
  • サイトURL(リンク先・ヤフーオークション):
ヤフオク! - 日本最大級のネットオークション・フリマアプリ
  • 出品者:ウエスト(Tunagu株式会社)(ID:tunagu5555)
  • ウォッチ数:150件(7月19日時点)
  • 落札件数:終了後別途記載
  • 落札履歴詳細:終了後記載予定

スペック・諸元

事実上、Victorがリリースしたスピーカー中では最高価格の機種となります。また単発で開発された最高機種ではなく、SX-1000をベースとして時間を掛けて開発されたモデルでもあります。

  • 発売時期:1995年
  • 販売当時価格:¥800,000(1台)
  • 外形サイズ:W550×H926×D370(mm)
  • 重量:82Kg(1本)
  • 能率:90dB
  • インピーダンス:4Ω
  • 方式:密閉型・3ウェイ・3スピーカー
    • ツィーター:3cmドーム型
    • スコーカー:8cmドーム型
    • ウーファー::31.5cmコーン型
    • 全てアルニコマグネット
  • クロスオーバー周波数:440Hz、5000Hz
  • その他詳細(リンク先・オーディオの足跡”VICTOR SX-1000LABO”)
VICTOR SX-1000LABOの仕様 ビクター

出品物コンディション・Victor SX-1000 LABO

いくつか明らかな傷があります、この機種は突板の仕上げが比較的傷つきやすく傷なしの個体を見つけることが大変難しいモデルです。

  • シリアルNo:(R)06600127/(L)06600102
  • 前面・上面:Lch前面角に傷あり(全幅の1/5程度の長さ、下地見える)
  • 下部(ハカマ):Lch前面に欠けあり
  • 側板:Rch側板に傷あり
  • 日焼けによる退色あり(若干・ネットで覆われていた部分とは濃さの差がわかる)
  • ユニット:良好、エッジの破損なし
  • スピーカー台:表面の退色あり
  • 入力端子:良好

このモデルにある突板の劣化はこの個体でも見られますが、それ自体は軽度です。また製品説明書があるなど状況としては平均以上です(説明書のある中古は何故かきちんとしたものが多い)。むしろ傷の状態が気になります。
この状態がどのような価格となるかを見ることは、今後この機種を探す上での一つの目安になると思われます。

中古の確認ポイント

「イタリアで染色したバーズアイメープル」これが本機種の中古品質に一番影響しています。端的に言えば仕上げが弱い。
傷がつきやすく日焼けもしやすい。管理に相当の配慮がない限り経年変化による退色も顕著です。
1995年ですので所有者の中にはポリメイト等の艶出し剤を塗布してしまう方もおられ、かえって塗装がくすむなどのものもあります。

  • 傷の有無
  • 突板の退色度合い(背面やネットでカバーされた部分と天板・側板の色合い差)
  • スピーカー台(インディペンデントベース)の塗装劣化の度合い
  • 突板の接着面剥がれ(何例か実際に見ており、突板の工作自体にもばらつきがある可能性)

ユニットについてはDIATONEと異なり良好な環境であれば振動板の割れやウーファーエッジの劣化や硬化は起こりません。
逆にもしユニットに著しい傷や劣化がある個体は目に見えない部分もダメージを負っている可能性が大きく注意して避けるべきです。

なお本機の特徴でもあるアルニコユニットについて減磁を気にされる方がおられますが、本機に限らず中古スピーカーにおいて全く気にする必要のない項目です。

機種評価の関連情報・Victor SX-1000 LABO

前作「SX-1000」をベースに開発されたVictorの最高級モデルであり、音質ははっきり現代でも最高ランクといえます。しかしOnkyoのGS-1など国産の最高級機にままある、突然登場した高級スピーカーという企画ではありません。

単にコストを掛けた設計というだけではなく既にあったSX-1000で得られた実績を元にしている、時間を掛けて開発されたという背景をもっています。

アナログディスク用プレスマシーンで制作されたウーファーコーン

ユニットひとつをとってもSX-1000と似た仕様ではありますが、実際にはかなりのブラッシュアップが図られています。特にこの機種のウーファーはアナログディスク向けのプレスマシーンを用いて成型されており、通常のウーファーコーンとは別種の精度の高さです。
このアプローチ自体が前機種の実績があって初めて着想を得られるものとなります。

音質についてはワイドレンジだがかなり躍動感あるもの。密閉型の一部でイメージされる詰まった感じは皆無ですが低域は伸びています。
SX-1000自体がかなり表現力の高いスピーカーですが、本機を聴くとわずかにサイズが小さく感じるほどです。練られていますがチューニングのし過ぎで生気が無いということもありません。
充分に時間を掛けて開発されたことがわかる音です。

SX-1000 LABOの失敗・イタリア染色バーズアイメープル

もうひとつ言われる特徴に「イタリア染色バーズアイメープルの突板仕上げ」があります。本機の高級度合いを示すものとしてよく語られますが、発売から30年を経てわかるのはこの仕様は恐らく失敗だったと思われることです。

購入も前提として本機の中古を何度も見ていますが全体的に外装の劣化が進んでいるものが多い。
本体もそうですがインディペンデントベースは仕上げが異なるのか更に酷く、美品が極めて少ない。
傷がつきやすいだけでなく、退色やそもそも突板が剥がれているものもありました。
最終仕上げはほとんど光沢のない艶消しに近いクリアですがこれがだんだんくすんでいくものがありました。

90年台終わりに複数の中古で見かけた状態ですから発売後4年ほどでこのような症状が起こったということです。その後どうなっているかはネットの画像を検索して頂ければお分かりと思います。

使い手の管理の問題かと思いましたが、ショップの意見としてどれを見てもこうなっているという話がありました。
20年以上前既にこのような状態で、その後時間を経て更に状況が悪化した個体があるでしょう。

なぜVictorが国内の業者または自社設備を用いなかったのかはわかりません。木工については欧州のほうが全般に充実していますが、バブル景気末期の開発でもあり相応の高級感を得るためと思われます。

フランコセルブリン時代のソナスファベールで起きたラッカーの白濁を見てもわかるとおり、日本の高温多湿な環境に対し海外の木工製品はそこまでの想定をしない場合があります。
着想は良かったのですが開発時点で予期しなかった変化が起きているようです。

なお突板の工法を除けばエンクロージャーの音質的な配慮は相当なものでカエデを用い高精度に組み上げられた筐体は一本あたり80万円では到底実現できない内容です。

Victorは同じモデルを長く作るという他社にない特質を持ったメーカーでした。SX-500やSX-V1などは仕様の良さだけでなく代を重ねてチューニングに時間を掛けた良品でありました。
本機のベースとなったSX-1000自体、生産時期によって若干の音の変化があるとされています。つまり改善を加えていたようです。

本機の音は現在でも間違いなく一線級です。状態の良いものに巡り会えるならいうことがありません。個人的には今でも見てしまうスピーカーです。

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