90年代プリメインアンプとして実力のある機種です。オークションへの出品頻度が少なくなってきたので履歴を残していくことにします。
なお本物件は背面端子に不具合がありますため、単純なお勧めではなくそういった条件での相場情報とお考えください。
落札価格情報（Pioneer A-09）
- モデル名（型式）：Pioneer A-09
- 落札価格：¥161,000
- 落札日時：6月15日 10時18分
- サイトURL：https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x786747757（リンク・Yahooオークション）
- 出品者：walnutcar630
- ウオッチ数：120
- 入札件数：144件
- 入札履歴：
スペック・諸元（Pioneer A-09）
- 発売時期：1992年
- 発売時価格：￥430,000
- 方式：純A級プリメインアンプ
- 出力：35W+35W（8Ω）70W+70W（4Ω）
- 消費電力(電気用品取締法)：220W
- 外径寸法（本体）W440×H198 ×D480（mm）
- 重量：28.8Kg
- カタログ情報：（出典）オーディオの足跡
出品コンディション（Pioneer A-09）
【ご注意】
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恐れ入りますが画像そのものは上記の「サイトURL」よりご確認をお願い致します（本文中のURLリンクはアフェリエイトではありません）。
以下では出品者画像から読み取れる情報と通常市場で取引されるUsedとの差について以下記載致します。
コンディション詳細
- 動作問題なし
- 画像から確認できる目立ったキズなし
- 背面入力端子の一部に不良あり（接触不良）
外観に目立った傷はなく、動作問題なし。しかし機能面で要修理というこの機種中古の典型的な事例です。
中古のチェックポイント（Pioneer A-09）
現在中古相場は15〜16万で推移していますが基本的に個体数が少ないため多少の不具合があっても購入される方がおられます。
購入時のチェック項目を優先度の順で記載すると
- 正常に動作しているかどうか
- 入力・出力端子が壊れていないか
- 外観が良好であるか否か
項目１は最優先となります、本機は故障した際の修理が極めて難しい機種であるためです。
そのため正常に動作していることが購入の大前提となります。
なおヴォリュームを切り替えるとノイズを生じる場合がありますが、固定抵抗切り替えの方式に由来するもののため、これは不具合ではありません。
入出力端子は接触不良が生じやすい構造
本機の弱点は入力端子が基板から直出しであることです。端子部の固定が弱くケーブルの脱着を繰り返すとハンダや基板そのものにクラックが生じやすい構造です。
仮に音が出ていても指で触ってみてグラつきがある場合、遠からず接触不良が発生します。
またスピーカー端子のネジが破損し締まらない不具合が多い。これは本機によらず大型のスピーカーターミナルを装備した機種の中古に共通の注意事項ですが、なまじ大型のターミナルであるため使用者が締めすぎることが破損の原因です。
Pioneer A-09は修理対応が難しい
上記2点はともに要修理の項目ですが、この機種はExclusiveの設計を流用するなど汎用パーツで代替できない設計部分が多くリペアは困難を極めます。
Pioneerではメンテナンスを終了しております。
なお国産メーカーにおいて入出力端子は専用設計であることが多く、部品単価が安くても現実には入手できない場合がほとんどです。
サードパーティの業者で修理可能な場合も音はかなり変わるためお勧めはできません、良好な個体を選ぶことが望ましい理由です。
なおA級アンプの中では比較的熱による劣化が少ない機種です。ヒートシンク上下の放熱口を大きくとり、エアフローが多いなど放熱に配慮した設計となっており、実使用においても例えば天板に手が当てられないほど熱くなるようなことがありません。
恐らくこのあたりが中古市場で比較的コンディションが良い個体が残っている最大の理由と思われます。
製品イメージ
コンディションが良い場合、音は現在でも充分一線級です。90年代初めの高級プリメインブームにリリースされたものです。
同様のカテゴリにあったVictor AX-900・Marantz PM-15がそうであるようにプリメインとして出来る限りの内容を詰め込んだ設計となっています。
他機種との際立った違いとして、プリ部を充実させていることが特徴です。
当時の競合機種との比較では、迫力よりもワイドレンジ寄りの音色でした。またスピーカーの駆動力はセパレートに準じるものでかなり高かった。
現在プリメインアンプの最高機種は100万弱の定価が普通になっていますが、現在リリースされていれば恐らく同様の価格となったであろう機種です。
使用されている部品やそもそもの設計もExclusiveがあってこそ成立していた部分が多い。同様のものを現在の国産オーディオメーカーが実現するのはハードルが高いと思われます。
良好な状態の個体は検討の価値があります。