Onkyo Grand Scepter GS-1・ヤフオク価格情報

ヤフーオークションで久しぶりにオンキョーGS-1が出品されたので履歴情報を残しておきます。
その他国産高級機種以上に希少価値があるとされており、中古は値上がり傾向です。

落札情報(オンキョーGS-1)

  • 最終価格:555,000円(税込:610,500 円)
  • 出品者:リサマイ市場(toomookaanaa)
  • 終了日:2021年4月25日
  • 落札件数:136件(履歴は以下)

やはりこれだけレアなものとなると最終日の相場は劇的に変動します。レア度を考えた時55万円は想定できる金額と思います。

コンディション

平均レベルより下と思われます。この機種の入札下限を知る上で貴重な事例です。

ネットワーク中心に改造の跡あり、画像からは背面の端子板(真鍮)は取り外されて合板となっており、素子もおそらく変えられています。

画像から見る限りその他外観は標準的。ガラス天板に欠け・割れはありません。
側面のジャージは綺麗な状態です。

中古の確認ポイント

GS-1のUsed購入を検討する場合、確認するべきポイントは以下となります。

  • 天板に欠けがないこと
  • ネットの破れ・ほつれ
  • ネットワークの改造有無
  • ホーン/ウーファー間の接続ケーブル状態
  • 配送料金
  • マニュアルの有無

天板に欠けがないこと

GS-1のホーン部分は天板がガラス板(裏面を黒く塗装されている)です。

ここが極めて割れやすく、欠けやヒビの有無はコンディション上重要視されるポイントです。

ネットの破れ・ほつれ

ホーン部の側板はほぼ全面、そしてウーファー部分の側板の一部はネットで覆われています。ここにほつれや破れがある場合は見えない部分にダメージがある可能性があります。

スピーカーを分解する際に破損しやすい部分です。
また特にウーファー側面のネットはウーファーの後方反射をコントロールしているため、音質上重要な部分でもあります。

ジャージを固定する部分は分解が難しく、張り替えは困難です。

ネットワークの改造有無

後述の理由からネットワークが改造されている個体が多い機種です。

ネットワークはホーン部に内蔵されており天板を外せば簡単に内部を確認できる仕様でありますので、できれば購入前に見ておきたい部分です。

今後出品される方はその部分についての画像情報が充実していれば更に落札側の評価につながるものと思われます。

ホーン/ウーファー間の接続ケーブル状態

ホーン部とウーファー部を接続するケーブルはホーン部背面から直出しになっております。
標準では取り替えが効かない構造です。

純正かまたは交換されているかどうかの確認が必要です。また切り詰めているうちに長さが短くなってしまっているものもあります。

これは設計仕様のミスと思われますが、端末を新しくするには切り詰めるしかありません。そのため使っているとある時点で長さは実用に足りないほど短くなってしまうことがあります。

高額の配送料に注意・付属品

天板ガラスならびに側板がジャージ素材のため配送時に極めて破損しやすい仕様です。
事故時の充分な保険対応を含め、本機の運送はピアノ運送が可能な業者を手配する必要があります。
購入時は配送料を考慮する必要があります。一例として東京から関東圏内への配送で10-15万円前後であります。繁忙期は大幅に変化(1.5〜2.0倍の場合も)することもご注意ください。

付属品の有無で価値が変わる

本機種に付属する取り扱い説明書は紛失する人が多く、その後かなりの高価で取引されています。

GS-1の音そして特徴

オンキョーがデジタル解析(当時NASAの技術という触れ込み)でホーンの欠点とされる部分を改善しつつ全体域をホーンにより再生をさせたものです。

具体的には以下となります。

  • 低音まで含め全てをホーン化する
  • 高音・低音ユニットの位置を揃え時間差ズレ(マルチパーパスゴースト歪みと呼んでいた)を解消する。
  • ホーン・スピーカー本体の材質を検証して不要振動を低減し「箱鳴き」「ホーン鳴き」をなくす。

主なスペック・諸元

  • 発売時期:1985年
  • 発売時価格:¥2,000,000(ペア)
  • 形式:2ウェイオールホーンスピーカー
  • 外径寸法:W630×H1,060×D615
  • 重量:117Kg(1本)
  • インピーダンス:8Ω
  • クロスオーバー周波数:800Hz
  • 出力音圧レベル:88dB/W/m
  • 再生周波数帯域:20Hz〜20KHz
  • ユニット構成
    • 高域:2.5インチドライバー(TW50280A:ダイヤフラム口径φ65)×1
    • 低域:28cmウーファー(W3060A)×2

最大の特徴は低音の処理

特に低音に関しては、ホーン長を少しでも延ばし、かつ中高域ユニットと前後位置をそろえたためスピーカーの後方ギリギリまでウーファーユニットが後退しています。

そのため実質ウーファーボックスと呼べる容量がありません。ほぼ裸のユニットにラッパをつけた状態です。通常のスピーカーのような低音を稼ぐ仕組みはありません。

そのため当時のオンキョーは測定上出てはいるものの極めて音圧レベルが低い最低域に合わせて、中高域ホーンの能率を大幅に下げてあわせるという野心的な設計をとりました。

低音部のネットワークについてもインピーダンス補正回路などにより特性を揃えるなど通常をはるかに超える素子数の多いネットワーク構成です。

結果として現代でも通用するフラットな特性となっています。

改造されやすい理由・低能率と刺激感のなさ

低能率、かつフラットな特性を実現するための大掛かりなネットワーク、そしてホーンの欠点を排除する目的から振動やホーン部の共鳴を徹底的に抑制したデザインです。

ただホーンスピーカーとしては異例の低能率(88dB/W/m)となりました。
またネットワークは極めて大掛かり(部品点数が多い)で、しかも極めて減衰量の大きなアッテネーター回路(-12dB)となっています。

フラットな特性や刺激感の無さの代わりにホーンらしい迫力、例えばJBLのような特徴もありませんでした。

また音場感も独特のものがあり賛否を分けた、一説にはメーカーによるインストールサービスも行われたとの話もあります。

当時そこを物足りないとする人が多かったことも事実で、これがネットワークを改造されやすかった理由です。

80年代まではオーディオの楽しみ方として自作は広く行われていたため、90年代に入ってもメーカー品の改造が多く行われていたことも改造の背景です。

改造の有無はこの機種に限らずこの時期までのオーディオ機器に必須のチェック項目となります。個人によるメンテナンス済み中古があまりお勧めできない理由でもあります。

なお内部ネットワークをバイパスし専用のエレクトリッククロスオーバーネットワークを使ったマルチアンプとする場合、能率は100dB/W/mまでアップします。

実際にそうして使った上で反応が機敏になったという情報を見たことがありますのでポテンシャルはあるもののようです。

出品されるたび何だかワクワクするスピーカーです。

当時はまだCDが出た直後でしたが、SACDやハイレゾ等によって特性の正確な再生を手軽にできる現在同じコンセプトのものがあれば、極めてフラットで刺激感のない音質は違った評価を受けているのではないかと思われます。 

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