Sonus Faber GUARNERI Homageの美品ヤフオク落札価格情報。スピーカーユニットはメンテナンス済ですが、それだけに更なる確認すべき点があります。
特にフランコセルブリン時代のソナスファベールは工業製品として見たときに品質上の問題を抱えたものが少なくないことを熟知した上で中古を購入するべきと思われます。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古市場におけるの評価は、以下の人気・価格・コンディションに現れています。
人気・コンディションと落札価格
- 落札価格:¥780,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(104人)
- コンディション :★★★(Excellent)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- 入札・落札情報
- 出品日時:2022.11.16(水)22:18
- 落札日時:2022.11.18(金)22:18
- 入札件数:1件
- オークションID:d1070849166
- 出品地域:奈良県
- 出品者
- 出品者ID:wassosm
- 出品社名:ー
- URL:https://auctions.yahoo.co.jp/seller/wassosm
- 評価(良い):100 %(取引 177件中・ 2023年 3月時点)
Sonus Faber GUARNERI Homageの音質とは
発売当時はデザイン・つくり・音の全てで絶賛されました。評論家の菅野沖彦氏がベストと言い切ったスピーカーです。
オーディオ雑誌や評論家の過去レビューまとめ
極めて個性的な音質ながら、従来のソナスファベールにあった音楽ジャンルの得手不得手を克服するほど美麗な音と評されました。
- 特有の艶ある音だがバランスがよい
- 機器を選ぶ気難しさをそなえる・本来は大出力アンプが必要
- 大きさとしては小型システムに分類されるが、音色と音像スケールは大型スピーカーのもの
- 強い個性を感じるが耽美的ではない。曲想は極めて大きく精緻さをスケールの大きさを兼ね備えている
複数の評論家から指摘された共通点は、いわゆる工業製品としてのオーディオという枠には当てはまらないということ。
一生をかけて鳴らしこむとも言われています。
注目された音質技術と現実の評価・ソナスファベールのブランドを決定づけた名機
その職人技による製法のすべてが驚異的と言われたGUARNERI Homageは愛好家にとっても垂涎の的でした。
初号機と2号機はそれぞれクレモナ市庁舎とバイオリン奏者であるサルヴァトーレアッカルドに『献呈』され、アッカルドはさっそく自身のレコーディングモニターに使用しています。
フランコセルブリン氏としても乾坤一擲の大作であったことがわかる。
そして同社オマージュシリーズはソナスファベールのブランドを決定づけます。
こののち特に北米における評価は決定的となり、投資ファンドも注目するオーディオブランドとなりました。
オマージュシリーズはその後数作がリリースされていますが、初代にして最高とされるモデルです。
ヤフオク落札相場データ
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
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(2024年まとめ)過去のオークション落札履歴
- 落札価格:¥458,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★☆☆(人)
- コンディション :★☆☆(Poor)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- 【送料無料!!】Sonus Faber Guarneri Homage ソナスファベール スピーカー ペア
- 入札・落札情報
- 入札件数:97件
- シリアルNo:
- 開始価格 5,000 円(税込 5,500 円)
- 開始日時 2024.02.05(月)15:20
- 終了日時 2024.02.12(月)23:42
- オークションID c1123881927
- 出品者
- UNISOUNDヤフオク!店(株式会社横浜デザイン)
- 総合評価(良い):99.7%(41,824件中)
- 出品地域
- 横浜市
- コンディション説明:
- キズ・汚れなどの使用感・経年感見受けられる外観
- 片側ツイーターからの出力が確認できない状態
- ツイーターが両方潰れている状態となります。
オーディオショップの中古価格
あえて相場として述べるならおおむね80万円前後です。
しかしSonus Faber GUARNERI Homageはコンディションによる価格差が大きく、一概に相場だけで語れないものがあります。
前期ロットが欲しいところですが、塗装の白濁が多いという難点が購入の難しいポイントです。
ハイファイ堂・オーディオユニオンほか専門店の中古相場
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★★★(良品)』となります。
しかしながらスピーカーユニットのメンテナンス内容について不明な点が惜しい。その部分が明らかであれば落札価格は100万を超えたと思われます。
厳しいようですが、GUARNERI Homageを買うということは、割安な中古を買うのではなく指名買いですから妥協は意味がありません。
出品されたのコンディション評価
- シリアルNo(右/左):不明
- 外観・動作・その他
- キャビネット色調から後期モデルの可能性
- 動作確認済み
- 本体に傷なし
- スタンドに傷なし
- ストリングス交換済み(グリル・スタンド共に)
- ユニットメンテナンス済(エッジにラバーコート実施 ボビンセンター調整 コイル鳴き止め ボビン真円出し実施)
Sonus Faber GUARNERI Homage・中古コンディションのチェックポイント
- シリアルNo(連番かどうか)タバコ臭の有無、または禁煙環境にあったかどうか。
- スピーカーターミナルは確実に締まるか
- ユニットメンテナンスは業者か、個人か。業者であれば社名(「オーディオ職人」は説明になっていません)
- スタンドベースの大理石に欠けはあるか
なお今回出品では輸送方法としてヤマト運輸、ゆうパック、佐川急便等の指定がありますが、本モデルはピアノ運送業者一択です。
落札者自身による運送もおすすめできません。
Sonus Faber GUARNERI Homage・「買ってはいけない」中古のポイント
Sonus Faber GUARNERI Homageについて、愛好家は美品か駄物かの2種類でしか判断しません。
動作・外観すべてにパーフェクトを求めます。
つまり傷はあるが安いGUARNERI Homageは無価値であり買うべきでありません。
- スピーカーユニットの状態(上記個体はラバーエッジにコーティングをうたっていますが音質が変化する可能性もあり要確認です)
- キャビネットの塗装状態(前期モデルはより音が良いのですが、白濁が発生しやすい)
- スタンドの大理石ベースに欠けはないか(とても痛みやすい部分です)
特に音のよい前期モデルは環境によりニス白濁をまねきやすいなど、極めて注意深く取り扱いが必要となります。
Sonus Faber GUARNERI Homageの仕様
ほとんど楽器に近いといわれた製造法はそれまで誰もやろうとしなかった手法であり、工業生産の効率とは無縁の製造仕様。
孤高の音質を獲得するとともに、維持管理のために神経質な楽器並みの環境も必要となりました。
メーカー・発売年次と定価
その後同様のアプローチが続くことは企業としてのソナスファベール(というより出資者)と創業者であるフランコセルブリンの間に溝を作ることとなりました。
同氏が「 FRANCO SERBLIN 」を興すきっかけとなったスピーカーともいえます。
- メーカー:sonus faber(ソナスファベール)
- モデル名・型番:GUARNERI Homage
- 発売年次:1994年
- 定価:¥1,550,000(JPY)
主要スペックと音質技術
同社最初の最高級機「Extrema」の出来に満足できなかったフランコセルブリンが、工業製品としてのアプローチを全廃し、全てを楽器製作の手法で作り上げた大作です。
- 主要スペック
- 大きさ:W190×H380×D375mm(スタンド部H890)
- 重さ:13.5kg(/本・スタンド部36kg)
- インピーダンス:8Ω
- 能率:88dB/W/m(Ω)
- スペック上の注目ポイント
- 42個の無垢材を組み上げ作られたキャビネット(ウォールナット・メープル・ライムウッド)
- 木材は2年間寝かされたのち切削
- 楽器職人によりリュート形に削り出されたキャビネットデザイン
- 接着剤はバイオリン製作用のニカワ、化学樹脂は一切排除
- 塗装は楽器用の植物性ラッカー(前期モデルは白濁が発生し、後期モデルでは種別を変更)
- オーディオテクノロジー社2.8cmツィーター(シルク振動板)
- ディナウディオ製14cmウーファー(カーボニュームコーティングのポリプロピレン材)
- 詳細情報リンク
製造メーカーの目でみるSonus Faber GUARNERI Homageのオーディオ機器としての寿命
工業製品として見た場合、GUARNERI Homageは多くの問題を抱えています。
有名な事例では表面に塗布されたニスの白濁があります。
また(これは現在の FRANCO SERBLIN 製スピーカーにも見られますが)メンテナンスのためにスピーカーユニットを外すと高確立でバッフルのレザーが剥がれるなど。
あらゆる工業製品が設計時に考慮される「温度」「湿度」「素材の継時変化」といった試験は一切なされないまま市場に送り出されたのがGUARNERI Homageです。
極めてコストのかかった環境管理がなされない限り、オーディオ機器としての寿命はごく短い。
補足するならば、これはGUARNERI Homageの欠点ではありません。
本品は手作りの製品としては極めて高度であり、24時間の温湿度管理がなされた環境におかれた場合は長持ちします。
いわゆる工場で作られた「オーディオ機器」と形は似ていても内実はかけ離れたものです。
中古Sonus Faber GUARNERI Homageのメリット・デメリット
デメリットは2点
- 高度なフィニッシュのためわずかな傷や二流以下のスキルで行われたメンテナンスはごまこしようがなく、確実に個体の価値を下げる
- 塗装・キャビネット素材ともにデリケートであり管理に細心の注意と費用を必要とする
たとえば単に24時間365日エアコンを効かせた環境に保存し続ける。
それだけではダメであり、湿度も管理する。
それも水道水を使った加湿器ではNG(カルキが付着する)であり、最高度の加湿設備が必要。
直射日光は厳禁のため、窓のない室内で、かつ紫外光の少ないランプを選ぶ。
絵画や楽器に似た管理が求められるものです。恐らく本体の購入金額と同等かそれ以上の維持管理費が生じます。
見栄やマニアックのこだわりではなく、そうしなければ朽ち果ててしまう儚さがある。
後年のFRANCO SERBLIN 製スピーカーもそうですが、製作者のフランコセルブリン氏に製造業に常識となっている品質管理の知識はほとんどないことが製品からわかる。
職人的な技だけです、ただしその技量は極めて高度。
メリットは、デザイン・つくり・音。
その全てがオーディオとしてもっともハイエンドであるといえます。
それまで木工の極みはTANNOYのPrestigeシリーズといわれてきましたが、全く比較になりません。
ガルネリオマージュを求める人にとって「割安の中古品」は存在しません。傷ものかパーフェクトかだけです。
わざわざ傷ものを選ぶことは間違っています。どんなに高価であろうとも良品を求めるべき。
本体価格が安く見えるほどの維持費がかかることは上述のとおりです。