ひそかに人気のPIONEER S-1EX Yahooオークション落札価格情報。メディアの紹介が少ないためあまり知られていませんが、現代のB&Wも及ばないほどの技術と入念な作り込みがなされています。
PIONEER S-1EXのオークション落札結果・人気・商品の状態
Yahooオークションのオーディオ出品情報(価格・入札履歴)
PIONEER S-1EX・中古人気と、入札・落札履歴
出品URL(Yahoo オークション)PIONEER パイオニア トールボーイスピーカー S-1EX 中古
落札価格:¥299,000(JPY)
- 開始価格:3,000 円(税込 – 円)
人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。
ウォッチ件数:150人
- 入札件数:68件
- オークションID:u1096194193
- 出品地域:奈良県 橿原市
- 入札履歴(以下リンク参照・ダウンロード可能)
落札日時:2023.06.24(土)22:09
- 出品日時:2023.06.20(火)15:58
出品者情報(ID・名前・評価)
- 出品者
- 出品者ID:yuasazidousya
- 出品社名:株式会社湯浅
- URL:https://auctions.yahoo.co.jp/html/profile/yuasazidousya5.html
- 評価(良い): 99.4%(取引 23,159件中・ 2023年 10月時点)
出品物コンディション・入札のチェックポイント(不具合など商品の状態)
以下よりコンディション判定『★★☆(Average)』となります。
動作完動にしてスピーカーユニットに傷はありませんが、キャビネットに目立つ傷があります。
また画像では専用インシュレーターの数量が不足しています、追加質問するべき項目です。
画像・出品説明より確認できるオークションサイト情報・買取、入札時の注意点
※画像クリックで拡大表示可能
- シリアルNo:不明
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み
- スピーカーユニットに傷なし
- 付属品あり(以下の追加確認が必要)
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- キャビネットに傷・汚れあり
- 専用インシュレーターの数量不明(8個必要)
- シリアルNo:不明
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み
- スピーカーユニットに傷なし
- 付属品あり(以下の追加確認が必要)
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- キャビネットに傷・汚れあり
- 専用インシュレーターの数量不明(8個必要)
出品者に追加質問したい確認ポイント
- シリアルNo(連番かどうか)
- インシュレーターの数量(4個/台)はあるか
- タバコ臭の有無、または禁煙環境にあったかどうか。
- スピーカーターミナルは確実に締まるか(ゆるみ・ぐらつきはないか)
- 背面入力端子のグラつき(ケーブルの大型化・極太化にともない破損の事例が多発している)
PIONEER S-1EX・中古の要注目ポイント(傷 汚れ 不具合 故障)・付属品(インシュレーター)の数量に注意
基本的確認事項は通常のスピーカーと変わりません(スピーカーユニットの傷・キャビネットの傷、汚れ)。特有の確認事項としては、
- スピーカーユニットに傷や汚れがないこと
- 専用インシュレーターの有無:チューニングを追い込んだスピーカーのため、インシュレーターを紛失したものは価値が減じる。また数量が少ない中古もあるので注意(4個/台)。
- シリアルNo:1本売りであったため連番は稀だが、あまりに離れたものは注意する。
PIONEER S-1EX・中古相場と価格動向(ショップとオークションサイト価格履歴の比較・検索)
中古価格は上昇傾向です。PIONEER廃業の報道を受けて一時中古価格が下落したのち、再度上昇をはじめています。
- 動作良好・外観美品で¥380,000(JPY)以上
- ジャンク状態でも¥150,000(JPY)前後
極上美品の場合、オークション落札価格は¥450,000(JPY)を超えており、早晩¥500,000(JPY)を超えるものと思われます。
過去の中古価格とオークション落札相場(ヤフオク落札履歴)
上記は過去の取引情報、今の入札時に参考とされます。
- 個体の製造年次
- 中古としてのコンディション・状態
- 販売・落札価格
この3点を比較しつつ相場・価格チェックにご活用ください。
PIONEER S-1EXの定価と仕様・スペック(新品時カタログ資料)
パイオニアは2008年にプラズマテレビ事業から撤退するなど、経営が悪化していた時代にリリースされたハイエンドスピーカー。
スピーカーユニット設計は日本、全体のシステム設計とチューニングは日米共同という設計チームの作品です。
事前に公表された定価(¥500,000 JPY)はさらに値上げされて販売されました。同社は品質を落とすつもりがまったく無く、経営危機によるコスト増を販売価格に反映させたのです。
- メーカー:パイオニア(PIONEER)
- モデル名・型番:S-1EX
- 発売年次:2005年
- 定価:¥600,000(/台・JPY)
- 主要スペック
- 大きさ:422 mm(W)× 1283 mm(H)× 609 mm(D)
- 重さ:66Kg(/本)
- 形式:バスレフ型トールボーイフロアスピーカー
- インピーダンス:6Ω
- 能率:89.5dB/W/m(Ω)
TADの技術を全面的に投入したリニアフェイズスピーカー・最新のB&Wを超える新技術の数々
ベリリウム/マグネシウム振動板、そしてウーファーはアラミドカーボンと最新かつ高コストの素材を惜しみなく使い、しかもリニアフェイズを実現するためキャビネットは涙滴形状をさらに後方へスラントさせた複雑な曲面形状です。
考えうるあらゆる技術を投入しています、現代はB&Wがハイテク・ハイエンドスピーカーとして有名ですが、製造コストは同等かそれ以上。これがペア100万円で販売されていたとはこんにち想像もできません。
- スペック上の注目ポイント
- 「TAD-M1」で開発されたCSTドライバー(CST-6001)を採用
- ベリリウムツィーターを採用し100Khzまでの高域再生を実現
- ミッドレンジはマグネシウム振動板
- ネオジウムマグネット仕様
- ウーファーユニット(TL-0701)はアラミドカーボン複合素材の振動板
- 18cm×2基のウーファー構成
- アラミド織布とカーボン不織布により振動板の剛性を高めた
- ネオジウムマグネット/大口径ボイスコイル(φ65mm)により放熱効率を高めつつ大入力のパワーハンドリングを向上
- 背面の空気の流れを制御する形状のアルミダイキャストフレーム
- プレシジョンカーブ&ラウンドエンクロージャー
- スピーカー形状を曲面とし、リスナーから3mの円周上にスピーカーユニットを配置
- 背面も曲面/ラウンドシェイプ形状とすることで音の回折現象(前方の音がキャビネット後方に回り込むこと)を低減
- スラントレイアウトエンクロージャー技術により、スピーカユニットの重心がキャビネット中心に定位するよう調整し、曲面形状キャビネットでありながら振動の影響を低減。
- 複雑なキャビネットを高密度MDFにより高剛性に設計。最大厚は100mm(最薄部分でも50mm)として剛性を確保。
- ABD(Acoustic Balance Drive)テクノロジーによるバスレフポート設計
- ウーファーユニットとバスレフポートの位置による定在波(キャビネット内部の反響)の状態を正確にシュミレーションし、最も影響の少ないウーファーユニット/バスレフポートの位置を設定。
- 亜鉛ダイキャスト製スピーカーベースにより振動を排除
- 「TAD-M1」で開発されたCSTドライバー(CST-6001)を採用
- 詳細情報リンク
PIONEER S-1EX 発売時の音質レビュー・雑誌メディア、評論家の評価と人気ランキング
価格に対して破格の高音質とレビューされたPIONEER S-1EX。評論家の評価は高く、雑誌メディアにおいてもベストバイランキングの特賞(Stereosound GRANPRIX2005)に選ばれています。
- 極めて先進的な技術が投入された、真面目に作られたスピーカー。定価は破格の値段設定。
- スピーカーユニット・キャビネットそれぞれが並外れた特性をもつとわかる、変換機として極めて優秀。
- 透明でナチュラル、精緻。しかし冷たいストイックさはない。鳴らし始めはやや暖かさに欠けるが、このモデルは使い手によりその音を大きく変える実力を持つ。
マルチチャンネル(空間オーディオ・Dolby Atmos)で失速したSACDが追い討ちをかけた
PIONEER S-1EXはペア販売ではなく1本売りです(¥600,000/台・JPY)。
何故か?
SACDマルチチャンネルに対応させるためです。現在いうところの空間オーディオやDolby Atmosと同じサラウンドシステムですが、SACDはこれがために失敗しました。スピーカーを5本も置くスペースがなかった。
今マルチチャンネル対応のSACDプレーヤーは発売されていません。
そして2006年当時、特にスピーカー分野はセールスが期待を大きく下回り、Pioneerも打撃を受けました。
S-1EXは5台セットで売れると考えていたのです、それゆえの60万円という価格でした。当然赤字です。
ご参考・『★☆(星)』ランキングの基準について
★(星)のランク付基準については以下の数値を元に設定しております
「ウォッチリスト」データを参考に・ヤフオクの落札金額は人気で決まる
ウォッチリストの登録人数を基準に設定。
- ウオッチリスト登録が50人未満:★☆☆(人気がない)
- ウオッチリスト登録が50人以上100人未満:★★☆(普通)
- ウオッチリスト登録が100人以上:★★★(人気が高い)
画像判定を厳しく・オークション出品の評価点は「自己評価」
- 傷多数・ジャンク・個人による修理メンテナンス:★☆☆
- 傷少ない・動作に問題ない・使用感はある:★★☆
- 新品同様・未開封デッドストック・業者による高額のメンテナンス:★★★
Yahooオークションの『商品の状態について』は厳密な規定がないため、ヤフオクの状態説明よりやや厳しめです。
PIONEER S-1EX・中古オーディオを買うメリットとデメリット:中古オーディオの「出遅れ株」
デメリットはPIONEE末期のスピーカーというブランドイメージ、そして中古相場が上昇していること。
メリットはその音質と外観からすら感じ取れるほどの入念な作り込みです。
PIONEERは特にスピーカーの名作が多く、現在では当時の定価を超える中古も現れはじめています。
技術と作り込みに妥協しないジャパンクオリティの典型・PIONEERのスピーカーに名機が多い理由
PIONEER S-1EXのようなスピーカーはいわば「出遅れ株」です、今後中古価格は上がることはあっても下がることはない。PIONEERの製造クオリティと音質は長年の使用に耐えるものだからです。
歴代のスピーカーにおいて顕著ですが、同社はオーディオについて確固たる方針をもっていたようです、まさしく「ジャパンクオリティ」の典型。
- 現在でも採用をためらうような高コストの技術を惜しみなく使う
- 入念なアフターサービス(EXCLUSIVEアンプ群は新製品を発売しなくなったのち10年以上もメンテナンスサービスを実施していた)
Bowers and wilkins(B&W)ではダイヤモンドツィーターとコンティニュアムコーンが有名ですが、ベリリウム振動板の開発・製造コストはおそらくB&Wを大幅に超えるもの。
S-1EXの曲面キャビネット形状も加工コストは高額であり、他社ではお目にかかりません。現在のTADスピーカーの価格をみれば、本来100万円程度で販売するべきでなかったといえます。
人気 :★★★