引き取り限定のため安価落札のDIATONE DS-1000ZXのYahooオークション落札価格情報。
面倒なようでもダイヤトーンは「引き取り限定」の落札が安全です。一見状態が良くとも輸送でボロンの割れが多発しています。
中古ダイヤトーンは中古価格を輸送料が上回ることも珍しくありません。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古市場におけるDIATONE DS-1000ZXの評価は、以下の人気・価格・コンディションに現れています。
高音質であり人気は常に高く、それでいて輸送コストが掛かるため中古価格は伸びないという特殊なブランドです。
人気・コンディションと落札価格
- 落札価格:¥34,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(110人)
- コンディション :★★☆(Average)
- ヤフオク出品時の商品タイトル
- 入札・落札情報
- 出品日時:2022.12.13(火)18:41
- 落札日時:022.12.20(火)22:37
- 入札件数:54件
- 引き取り限定(出品者による配送手配不可)
- オークションID:s1075378407
- 出品地域:東京都
- Yahooオークションのシステム上の問題から入札履歴の詳細は抹消
- 出品者
- 出品者ID:toomookaanaa
- 出品社名:リサマイ市場・本館(株式会社リサイクルマイスター)
- URL:https://recyclemeister.co.jp/
- 評価(良い): 99.2%(取引 142,961件中・ 2023年 8月時点)
DIATONE DS-1000ZXの音質レビュー
1983年から続くDIATONEの代表的なシリーズにして最終型となった本モデルは、音質が大きく変わったことで評論家諸氏から注目されていました。
オーディオ雑誌や評論家の過去レビューまとめ
日本のオーディオ評論家からは、好みを超えて家庭用スピーカーとして一級の音質であるという点で一致しています。
- それまでのDIATONEに残っていた独特のキャラクターが無くなり全帯域にわたってバランスのとれた音となった。
- 硬さのあるキャラクターは全くなくなり自然かつ豊かな音調、しかもダイヤトーンらしいダイナミックレンジの広さは健在。
- 特に高域の密度と繊細感は特筆すべきものがある。家庭用スピーカーとしてひとつの境地に達した。
注目された音質技術と現実の評価・人気
小型スピーカーにないスケールと6cmのボロンスコーカーによる緻密な音場感(Stereophonic)を実現したスピーカーとして、雑誌メディアでのランキングも上位となっています。
しかし時すでに「大型ブックシェルフ型」というスピーカー形態は主流とは言えなくなっており、音質以前のデザインにおいて支持を失っていました。
同じ形態をとっていたONKYOも高音質ながら同じく人気のなさに苦しんでいます。
ヤフオク落札相場データ
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
※Yahooオークションの落札履歴はシステム上の理由から最大2年で抹消されます。
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
オーディオショップの中古価格
本体ならびにスタンドのオークション中古相場は以下のとおり
- 本体のみ・振動板の状態良好・外観美品(配送対応あり):¥40,000(JPY)前後
- 本体のみ・振動板の状態良好・外観美品(引き取りのみ):¥35,000前後
- 専用スタンド(DK-1000ZX):¥10,000(JPY)前後
ショップ扱いの場合、概ね¥80,000(JPY)前後となりますが、以下の理由から取扱いは少なくなっております。
DIATONEは引き取りかピアノ配送のみ・宅急便(佐川急便)は高確率で破損、ボロン割れが発生
狙い目は「引き取りのみ」です。
宅急便による配送は、高確率でボロン振動板を破損します。
現在DIATONEを運ぶ運送会社は佐川急便ですが、本来宅急便の荷物取扱では運べない製品です。
これは佐川急便が悪いのではなく、ボロン振動板にはわずかな衝撃も命取りという意味です。
発送元でウレタン充填など厳重な梱包をするならば別ですが、そこまでの対応はありません。
結果としてピアノ運送か落札者自身による引き取りとなりますが、5万円に満たない落札商品に8万〜10万円を運送費に投じることはなく、結果として落札者引き取りが最も現実的となります。
ハイファイ堂・オーディオユニオンほか専門店の中古相場
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★★☆(Average)』となります。キャビネットに傷のある個体です。
スピーカーユニットに傷はなく保護メッシュに打痕もない、これがDIATONEでは重要となります。
出品されたのコンディション評価
ボロン振動板は修理不可能・「買ってはいけない」中古DS-1000ZXのポイント
DS-1000シリーズのコンディションチェックは以下の手順となります。
- スピーカーユニット振動板に傷・汚れ・へこみ・ひび(ボロン振動板)はないか
- スピーカーグリル(ネットではなくスコーカーの保護メッシュ)にへこみはないか。つまり打撃を受けたかどうか。
- もしへこみや歪みがある場合は将来ボロン振動板が割れる可能性が高い
- 入力端子の状態
- キャビネットの傷・汚れ
- スピーカーネットの状態
DIATONEにとって一番重要な部分は「振動板の状態」です。有名なボロン割れを回避するためにもこの点を入念に確認したい。
なおよく言われる「ボロン振動板のシミ」について、割れとの関連はありません。
ボロン振動板の割れは製造時のばらつきとどれほどの衝撃が加わっていたかの2点が原因です。
ダイヤトーンのスピーカーエッジ硬化は不具合ではない・「ブレーキフルード」で軟化させる
またウーファーエッジの硬化については、対策可能であるため不具合とみなす必要はありません。
具体的にはカー用品店やホームセンターに売っている「ブレーキフルード」を塗布することで新品時点の柔軟性を回復させることができます。
ネットショップやYahooオークションで販売されているエッジ軟化剤の実態はブレーキフルードです。
なお再度の硬化を恐れてエッジに塗布されているダンピング剤を除去する業者や愛好家がいますが、これは厳禁です。
エッジ(Surround)の共震音を防ぐためのダンピング剤であり、音質に悪影響があります。
出品者に追加質問したい確認ポイント
- シリアルNo(連番かどうか)
- タバコ臭の有無、または禁煙環境にあったかどうか。
- スピーカーターミナルは確実に締まるか(ゆるみ・ぐらつきはないか)
DIATONE DS-1000ZXの設計仕様
三菱DIATONEの主要モデルである「DS-1000シリーズ」の最終型。
投入された技術は当時最高のものであり、現在よりオーディオが安かった1990年代ですら安すぎると言われた定価となっています。
メーカー・発売年次と定価
- メーカー:DIATONE(ダイヤトーン)
- モデル名・型番:DS-1000ZX
- 発売年次:1995年
- 定価:¥120,000(/台・JPY)
主要スペックと音質技術・ウーファーはアラミド/紙のハイブリッド振動板
6cm口径のピュアボロンを用いたミッドレンジ、そして密閉型でありながら低域の反応が速いこと。
ダイヤトーンではミドルレンジの機種ながら、その音はDS-1000(1983年)から続けられた改良の結果、特性面では現代のスピーカーに全く引けを取らないどころかむしろ優れた面さえあります。
なおDS-1000ZX・DS-2000ZXともに、キャビネットの突き板は塩化ビニールシートです。
- 主要スペック
- 大きさ:幅360x高さ690x奥行300mm(ネット付341mm)
- スピーカースタンド DK-1000ZX:幅360x高さ195x奥行300mm
- 重さ:29Kg(/本)
- スピーカースタンド DK-1000ZX:6.2kg
- インピーダンス:6.3Ω
- 能率:90dB/W/m(Ω)
- 大きさ:幅360x高さ690x奥行300mm(ネット付341mm)
- スペック上の注目ポイント
- 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式
- 27cmアラミドコーン型ウーファー
- 6cmドーム型ミッドレンジ(ピュアボロンB4Cドーム振動板)
- 2.3cmドーム型ツィーター(ピュアボロンB4Cドーム振動板)
- アラミッド・クロスコーンはペーパーで補強しバインダーを最小まで減少させた軽量仕様
- ミッドレンジとツィーターはHRCフレームを採用
- 肉厚の強固なダイキャストを振動拡散に配慮した形状に成形
- フレームの表面塗装は音質に配慮したエポキシ樹脂
- 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式
製造メーカーの目でみるオーディオ機器としての寿命
ボロン振動板の耐久性がDS-1000ZXの寿命です。
代替部品はすでになく、輸送すら難しい。
世界的に見ても最高水準のスキルといわれる日本のスピーカーリペア業者でもメンテナンスを断るブランドが三菱ダイヤトーンです。
日本のオーディオ愛好家の多くから言及されているように、振動板の破損は予測がつきません。
製造メーカーの立場でいえば、現在(2024年)においても工業用ボロンの製造は難易度の高い製造工程となります。
直径6cmという仕様は、メーカーとしての三菱電機に品質管理の思想に問題があったというほかありません。
他社であれば採用しない素材です。
中古のメリット・デメリット
最新スピーカーとの比較
- メリット:ボロン振動板の特性を活かした音質、現在でも第一級の物理特性を誇ります。
- デメリット:ボロン振動板の割れが最大の難点
メリットを無二のものと考える人が程度のよい中古を求めています。
根本的な問題を抱えた高音質設計は、いわくつきであるがゆえに、ある種の愛好家を惹きつけて離さない魅力があります。
大口径ボロン振動板は現在では製造不可能・欠陥があってもDIATONEが名機たる理由
これは推測ですが、そもそもピュアボロンでスピーカー振動板を作るというコンセプト自体に、品質管理上の欠陥を持っていたと思われます。
現在でも工業用ボロンの製造は、安定した品質を保つことが難しい素材として知られており、取扱いの難易度も高い。
ましてや6cmという大口径は民生向けとして非常識といっていい。
しかし三菱電機ではボロン振動板を用いたコンプレッションドライバーの研究試作すら行っていたほどであり割れるかどうかはあまり問題にしていないかったように見えます。
新品販売中から割れが発生していたにもかかわらずボロン振動板を採用し続けた三菱電機は、日本の製造メーカーとして特殊な品質管理の考え方を持っていたメーカーというほかありませんが、それだけに現在では中古でしか手にいれることができない素材と音質です。
「ダイヤトーン工房」製キャビネットで起こった突き板剥がれと無縁の安定した品質
なおDS-1000ZXのキャビネット突板は天然木ではなく塩化ビニールシートです。DS-2000ZXも同様。
ケミカルシートとして上質な材料を用いていますが、無論ダイヤトーン工房で謳われたハンドクラフトとは異なる。
しかしこの仕上げのおかげで、90年代のダイヤトーンにつきものの「突板剥がれ」という欠陥から逃れています。
詳細は不明ですが、ダイヤトーン工房に代表される90年代の三菱電機が作ったキャビネットは突板の剥がれや塗装の劣化という問題が起こっています。
これは品質管理に問題があったと言うしかありません。
ボロン割れが注目を集め見逃されていますが、ダイヤトーンのキャビネット仕上げは問題多数です。
今から40年前、すでに40khz以上の超高域再生を実現した技術はDS-1000ZXで大完成しています。
高分解能にして滑らか。いわゆるダイヤトーンサウンドから完全に脱却したといわれる音。
このスピーカーが1本あたり¥120,000という定価は、高コストの製造原価からみて当時ですらありえないといっていいプライス設定でした。
DIATONEが廃業せざるをえなかったことも納得できます、虚心に聴けば硬さ・うるささのない音。
間違いなくおすすめといえます。