Pioneer S-1000 Twin 2ウェイトールボーイスピーカー ・ヤフオク情報

中古個体として流通の多いPioneer S-1000 Twinのヤフオク落札情報です。
程度は並と思われますが、価格とコンディションの参考として。

なお疑問を呈されることが多いアルニコマグネットの減磁についても記載しております。

Yahoo オークション出品情報・人気、価格ほか

メーカー・モデル名・製造年次

  • メーカー・モデル名
    • Pioneer
    • S-1000 Twin
    • 発売年:1989年

Pioneer S-1000 Twinの人気・入札・落札価格情報

出品者情報(ID・名前・評価)

Pioneer S-1000 Twinのスペック・諸元(新品・リリース時点発表)

  1. 発売年度:1989 年 9月
  2. 主要スペック
    • 販売当時定価:
    • 大きさ:幅276x高さ1060x奥行407mm
    • 重さ:44Kg(/本)
    • 能率:dB/W/m
  3. スペック上の注目ポイント
    • オールアルニコマグネット+TAD技術をもちいた振動板による専用開発のスピーカーユニット
    • 高品質な天然木(ウォールナット)の突板加工ならびに頑丈な仕上げのエンクロージャー
    • S-55TwinnからはじまりExclusive S5まで検証を重ねたバーチカルツイン方式
  4. 詳細情報リンク
    Pioneer S-1000twinの仕様 パイオニア

    https://www.niji.or.jp/home/k-nisi/s-1000twin.htm

出品物の状態・コンディション

中古の状態としては「並」よりやや下と思われます。ハカマ部分の傷がもっとも大きな減点事項ですが全体的に小傷があり、「天板に傷」が使用履歴そのものを想像させるものです。

推測できるユーザーの使用歴・使用環境

スピーカー天板に大きな傷があること、また小傷も多数散見されることから

「スピーカーの上に常時なんらかの置物をしていた」、つまりテレビやオーディオラックの左右に設置され、オーディオ専用部屋でなくリビングのような場所で使われていた可能性があります。

後述の確認事項においてたばこ臭の有無を確認したい理由です。

また手頃な重さであることから、輸送は個人または通常の引越し業者で行われてきた可能性があります。

画像ならびに出品者説明から留意すべき情報

  • シリアルNo
  • (右)JG00236/(左)JG00320
  • 外観・動作について
    1. 天板に目立つ傷あり
    2. 全体的に目立たない小傷あり
    3. ハカマ部分(後方)に割れあり
    4. ウーファーユニットは外観からは問題ないものと思われる
    5. ツィーターならびにダイレクター(ホーン状)に傷なし
    6. 純正ジャンパーバー付属
    7. マニュアルなし
    8. 動作良好との説明(出品者より)
    9. 側板に画像から確認できる傷なし
    10. ネット付属・ほつれ、穴、グリルの欠損や折れは確認できず
    11. ネット取り付け用のベルクロは純正とおもわれる

画像から留意すべき情報・出品者に質問すべきこと

説明では動作良好としかわかりません、また以下の項目が不明です。

特にスピーカーターミナルの緩みは後から修理が効かず、また改造品を見分けることはJBLならびに国産中古のスピーカーでは重要なため追確認したいポイントです。

  1. 出品者またはオーナー情報として「オイルフィニッシュを回復するためオイルを塗布」したかどうか(オイル塗布は基本的に行うべきでなく、なされたものは外観不良とする)
  2. ネットに穴やほつれはないか。またグリル(プラスチック)に割れ等はないか
  3. ネットの取り付けは確実か(ベルクロの接着が甘くなっているかどうか)
  4. 背面板の取り付けネジ部分全てにフェルトが挿入されているか(無い場合、背面板を取り外した、つまり改造の可能性あり)
  5. スピーカーターミナルのネジ緩みはないか
  6. たばこ臭の有無

Pioneer S-1000 Twinの中古ユーズドチェック・確認ポイント

Pioneer S-1000 Twinは国産スピーカー、というよりオーディオスピーカーのなかでも頑丈なモデルとなります。
材料が高品質であり、かつ元々の造りが丁寧だからです。

ただし国産スピーカーに共通する「ユーザーの扱いの荒さ」がみられる個体が多いモデルでもあります。

背面板のフェルト有無に注意・改造の可能性あり

本機はユニット取り付けにも注意が払われており、スピーカー内部でユニットフレーム(ダイキャスト)を接続するというものでした。

そのため、「取り付けネジのゆるみを直したい」という誘惑から背面板を取り外すケースがあります。
これは取り付けネジを隠すフェルトの欠損や歪みでわかります。

背面板を開ければ内部配線を改造したくなるのが人情で、そのような個体は避けたい。

スピーカーユニットの再着磁について・アルニコ磁石の減磁は心配の必要なし

S-1000 Twinのスピーカーユニットは全てアルニコ磁石が使われております。

アルニコマグネットは特に熱に弱く、過大入力が連続してユニットが発熱すると減磁します。しかしPioneer S-1000 Twin、というよりほぼ全てのスピーカーにとって心配の必要がない項目です。

日本はJBLが人気の時期が長く、またモニタースピーカーは特別との意識があるためプロ用スピーカーユニットの放熱についても注意すべき技術トピックとして語られますがそこまでの大入力が家庭でなされたスピーカーはまずありません。

スピーカーに入力される電力自体が1Wに達せず、家庭では0.03〜0.07W程度が普通です。

この電力でアルニコマグネットが減磁するほどの熱を発生させることは「発熱機として効率が悪い」スピーカーでは不可能です。

ユニットを分解し、再着磁させる作業のほうがはるかにリスキーでかつ高額ということをご理解ください。

Pioneer S-1000 Twinの中古価格の相場情報

中古個体数が多いため、ショップ/オークションで価格差はあまりありません。
概ね10万円を中心に程度の良否で価格が前後します。

中古価格例(ショップ・オークション)

年次による価格の変化確認のほか、コンディション(動作・外観状態・付属品・元箱など)の比較確認にご活用ください

配送上の注意点(業者・保険、等)

基本的には専門業者を頼みたいところであり自分でフォローできない遠距離の輸送はオーディオ経験のあるピアノ輸送業者が必須です。

しかしながら44kg(/本)という重量はギリギリ個人でも扱える重さであり、自宅搬入経路に段差等がなければ台車等を用いて個人での輸送は可能です。

しかしながら近距離限定であります。当然ながら通常の引越し便はおすすめできません。
またこの機種のハカマは上述のように割れや欠けを生じやすいため、その部分への配慮を考えれば相応の手配が必要です。

『Pioneer S-1000 Twinのモデルレビュー』人気と競合機種・音質ほかオーディオ性能エピソード

本機には後継機種として「S-1000 TwinA」が存在しておりますが、本モデルの時点で完成されております。
使いやすく、それでいて音質の良いモデルであります。

TAD振動板を使いオールアルニコの専用ユニットによる小音量時の高度な再現性

特にウーファーへのフィーチャーはTADの技術が投入されており、ツィーターともにアルニコマグネットという仕様から微小信号への反応が極めて速い音質です。

これは大音量という以上に微小信号の再現性に優れる結果となり、暖かい音色でありながら小音量を鋭く、しかもしなやかに聴かせます。

良質な木材による仕上げ、そして細かい部分まで調整が施されたエンクロージャー

イタヤカエデ削り出しのツィーターウェーブガイドが有名ですが、本機のエンクロージャーで印象的な点は

ぶの厚い、良質なウォールナットの突板が施された強靭なエンクロージャーです。

これは国産スピーカー全体からみても相当の出来栄えで、本機の経年変化にも大きな影響を与えております。
結果として良質な個体が多い理由となっております。

ベースモデルはS-99Twin・S-55Twinからの大量の音質検証は試行しExclusive(エクスクルーシブ)まで影響

S-1000 Twinの音質は単に良いというレベルではなく、完成度が高いものです。理由は2つあります。

  • S-99Twinの成功により完成度が高まったトールボーイ方式
  • Exclusive(エクスクルーシブ)からTAD・レイオーディオにつづくハイエンドスピーカーでのバーチカルツインの成功

空間オーディオやドルビーサラウンドなど、トールボーイのAVスピーカーが主流の現在では考えられない話ですが、当時はDIATONEに代表されるような幅広のバッフル面に多数のユニットを取り付けたブックシェルフ型スピーカーが主流であり、トールボーイ型は「売れない」とされていました。

デザイン、そして縦長のかたちは音響設計上好ましくないという論調すらあった。

PioneerはS-55TwinそしてS-99twinではじめて好調なセールス事例をつくり、その過程でトールボーイ型の音質改善例を重ねて自信を深めた上で企画されたスピーカーとなります。

Exclusive(エクスクルーシブ)・TADの開発で完成されていたバーチカルツインの音質

Exclusive(エクスクルーシブ)はPioneerが廃業するまで、ハイエンドオーディオブランドの中心でした。

そのスピーカーである「2401Twin」「2402」は従来的な2ウェイタイプですが、バーチカルツインはPioneerにとって早くから主要なスピーカー技術とされかなりのパワーをかけて検証されています。

結果S-1000 Twinとほぼ同時並行して「Exclusive S5」がリリースされるなど技術的に多くの成果を得た上での本モデルの開発です。

ベースとなるTADユニットはレイオーディオでバーチカルツインがメインの技術とされ、「キノシタモニター」のキャラクターを決定しました。

正確なステレオイメージという点で現在も高度な技術です。

Pioneer S-1000 Twin・中古のデメリット

本機種は材料そして製造に留意して作られているため、経時変化によるデメリットとよべるほどのものはありません。

上記でご説明申し上げたように、アルニコ磁石の減磁についても全く気にしなくてよいといえるもの。
こんにち中古で買って長く愛用できるモデルです。

唯一、これはデメリットというより20年注意してきていまだ不明な点でありますが

「左右のシリアルNoが揃った個体をみたことがない」

という点です。いかなる基準でR /Lを区別したのかもわからず、これは今後も中古の落札例・販売個体を見ていく中で明らかにしたいと考えております。

このように、音質的にそして品質的にも高度にして安定しているスピーカーであります。
中古の流通も多く、それだけに個体選びは慎重に行いたいモデルです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました