ONKYO GrandSepter GS-1・ヤフオク落札情報

スピーカー・大型

GS-1は以前記録した事例がありますがコンディションが良くない個体の落札情報でありました。
本件は比較的状態がよく、一方で改造の可能性も否定できない痕跡もあることから落札情報として参考になるものです。

なお出品物の画像情報があまり充実していません、これはGS-1のような人気機種に最近多い事例です。

オークション出品情報・落札結果

  • 落札価格:終了後別途記載
  • 落札日時(予定):2021.07.19(月)21:26
  • サイトURL(リンク先・ヤフーオークション):
Yahoo!オークション - 日本最大級のネットオークション・フリマアプリ
  • 出品者:ウエスト(Tunagu株式会社)(ID:tunagu5555)
  • ウォッチ数:227件(7月19日時点)
  • 落札件数:終了後別途記載
  • 落札履歴詳細:終了後記載予定

出品物のスペック・諸元

非常に有名な国産ハイエンドスピーカーです。Onkyoにとっても現時点で同ブランドの最高価格となるスピーカーです。

  • 発売時期:1985年
  • 発売時価格:¥2,000,000(ペア)
  • 形式:2ウェイオールホーンスピーカー
  • 外径寸法:W630×H1,060×D615
  • 重量:117Kg(1本)
  • インピーダンス:8Ω
  • クロスオーバー周波数:800Hz
  • 出力音圧レベル:88dB/W/m
  • 再生周波数帯域:20Hz〜20KHz
  • ユニット構成高域:
    • 2.5インチドライバー(TW50280A:ダイヤフラム口径φ65)×1
    • 低域:28cmウーファー(W3060A)×2
  • その他詳細(リンク先・オーディオの足跡”Onkyo Grand Scepter GS-1”)
ONKYO GrandSepter GS-1の仕様 オンキヨー/オンキョー グランセプター/グランドセプター

チェックポイントと中古相場・ONKYO GrandSepter GS-1

本機種のユーズドとしてはかなり良好な状態です。マニュアルも完備しており所有者が注意深く管理していたことがうかがえます。

出品物のコンディション・全体的に良好

ハカマ部分に傷が確認できないというのはこの機種を持ってみるとわかりますがかなり驚くべきことです。
外観に傷はあるものの全体の良さから30年前でも充分良品として通用したコンディションです。惜しいのは天板(ガラス)に欠けのあることで、ここは残念ながら明確なマイナスポイントです。

  • シリアルNo:不明(画像から判別できず)
  • 全体的にきれいな状態
  • ハカマ部の傷なし
  • 日焼けによる退色確認できず。
  • ユニット:良好、エッジの破損なし
  • 入力端子:破損なし、ただし締め込んだ際にできた傷あり。
  • 接続ケーブル:純正以外のものに変更されている可能性
    • ネットワークも改造が入った可能性がある
  • ジャンパーバー付属
  • 説明書付属

この個体については付属品が完備していることも特徴です。ジャンパーバーは中古のうち半分ぐらいは失われているため貴重です。
中古全般にいえますが、何故かマニュアルが完備しているユーズド品は状態の良いものが多い。

ただ心配なのは接続ケーブルがグレーであることです。知る限り純正は黒のため交換された可能性があります。
ここに手が入れられている場合、ネットワークそのものも素子の変更等がなされた可能性があるため本来であればなんらかの情報提示かあるいは入札前の問い合わせが望ましい。

GS-1の中古相場

なおこれは本件の明らかな欠点ですが、画像情報が不足しています。GS-1の中古は市場価格が高めであることから前回の例を見てもわかる通りあまり状態が良くなくとも高価格で落札されます。

そのせいかこれまでの出品履歴を見ても情報が不足する事例が多い。今回の例も改造の有無までは確認が出来ず、ある程度のリスクを覚悟した入札となります。

中古個体のチェックポイント

本機については以前コメントさせていただきましたが、補足部分も含めて再度記載させて頂きます。
ポイントは3点。

  1. 外観に傷がないこと
  2. 改造が行われていないこと
  3. 接続ケーブルは純正である・著しく短くないこと

(1)外観に傷がないこと

木部への傷はもちろんですが、むしろ気にするべきは天板ガラスになります。載せてあるだけなので簡単に外せますが移設または輸送時に一番破損する部分です。

この天板ガラスを外すとネットワークにアクセス出来ます。この機種は所有しているとネットワークの改造を試したくなる人が多く、ガラスの破損はその可能性も示唆するものです。
実際にこの機種を多く取り扱った中古ショップの中にはコンディションの目安として天板ガラスの破損の有無を重くみる業者もいます。

天板を頻繁に外すということは、移設を繰り返したかあるいは内部に何度もアクセスしたという履歴。つまりあまり歓迎できない使われ方をした個体の可能性があります。

(2)改造が行われていないこと

中古を選ぶ上で当然ともいえますが、この機種は一般に思われているよりも改造個体は多いようです。理由は項目(1)で記したようにネットワークにアクセスしやすいこと、またネットワーク自体がさほど高品位の部品を用いていないため改造意欲をそそってしまうことです。

実機をみるとわかりますが、セメント抵抗によるアッテネーターなど使われている素子はあまりハイエンドとはいえないものです。
交換も一見しやすく、また特にホーンスピーカーを好むマニア層は自作体験が多かったためネットワークの改造が行われやすかったようです。

繰り返しますが、個人の好みはさておき改造品は中古において明らかに「きずもの」です。価値は減じます。

(3)接続ケーブルは純正である・著しく短くない

ここでいう接続ケーブルとは高域モジュールから低域に配線しているキャブタイヤケーブル(端子板下部から出ているグレーのケーブル)となります。
画像等をよく確認していただくとわかりますが低域ネットワークも全て高域モジュール部に内蔵されておりここから直出しされています。
そのため切り詰めていくといずれ長さが短くなり対応出来なくなります。

なお本来ケーブルの色は黒です。そのためグレーは製造ロットの違いか改造が行われたかのいずれかとなります。この部分はネットワークから直出しのためネットワークそのものも改造された可能性も否定できません。
購入者にとって妥協すべきでないポイントです。

当時そして現在の機種評価・実験機にして絶後のコンセプト

販売していた時から一定の支持を得ていたスピーカーです。それまでメーカー品ではごく少数だった全帯域ホーン化という仕様でワイドレンジを実現したことがその理由となります。
極めて滑らかな音質でした。

一方でJBL等の支持者からはあまり支持がなかった、要約すれば理由は以下のようです。

  • 極端に低い能率
  • 大がかりなネットワークによると思われるレスポンス・反応
  • 凝ったホーン設計の結果としてヘッドフォンで聴くような音場感

能率だけが要因ではなく多素子のネットワークにも要因があったとは思いますが、切れ込みや反応の速さをアピールしたものでなかったことは確かです。

また指向性というかサービスエリアが狭くスピーカー軸線上で聴くスタイルが多かった。そのせいか音場表現はヘッドホンやイヤホンに近い頭内定位に近いものだという指摘もありました。
無論それを好むマニアもいたため結果としてこのスピーカーは長く使うか他を探すかの2択になったようです。

なおインストールはメーカーによって行われたとの話もあり(全ての販売事例で行われたかは真偽定かでありません)ともかく使いこなしが難しいスピーカーでした。
アンプ等も相当の駆動力を必要とするもので多くのユーザーはセパレートアンプ、それも左右モノーラルの大出力アンプを購入したようです。

個人的にはハイエンドスピーカーは支持が偏ったほうがむしろ正しいのではないかと思うので、このスピーカーに惹かれる人がいることは理解できます。
実際単なる希少価値だけでなくその他メーカー品に見られないほど大切に使う人もいて可能性を感じさせる機種です。

ONKYO GS-1の評価とは・中古価格とハイエンドスピーカーとしての音質レビュー
ONKYO GrandSepter GS-1のYahooオークション落札価格情報。ネットなしにもかかわらず遂についに100万円を超える案件となりました、オールホーン型の「国産の名機」として不動の地位を得ているモデル。コンディション判定『★★☆(Average)』。GrandSepter GS-1には必ずチェックしなければならない重要なポイントがあります、高音ユニットから出ているケーブルは純正かどうか。ここが純正(黒)でない場合、ネットワークが改造されていることがあるためです。 GrandSepter GS-1のネットワークはすぐアクセスできる構造であり、かなり質が低い素子(セメント抵抗など)が大量に使われていることから改造される個体が多かったのです。その音は家庭向けの量産スピーカーでは初となる「ワイドレンジでオールホーン」というコンセプトは一つの事件ともいうべき注目度をもって雑誌メディアに取り上げられました。評論家諸氏のレビューも多く、 メーカー製でオールホーンをここまでまとめたものはない。 古典的なホーンシステムとは全く異なり、時間軸の整合(ボイスコイルの位置をそろえる)という野心的なアプローチ 全長の短いホーンのみで低音を再生しようという難題にチャレンジし、音をまとめた。低音ホーンの最低域に能率を合わせてあえて低能率にするという画期的なアイデア。20Hzまで完全にホーンで再生するという野心的なコンセプトを使いこなしたときの音質、そして国産スピーカー随一といっていい人気です。 惚れ込んだオーナーは手放さず、「終生」という長さで愛用します。 そういうモデルは少ない、語り草となる名機でしょう。
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