実に珍しいスピーカーです、GAUSS OPTONICA CP-3830。
販売数が少ない機種のUsedというだけではなく稀に見る良コンディションです。個体数が少ないだけに今後の相場情報として価値があります。
オークション出品情報・落札結果

- 落札価格:¥808,000
- 落札日時(予定):2021年8月 2日 21時 26分
- 出品者:tunagu5555(ウエスト(Tunagu株式会社))
- ウォッチ数:ー
- 落札件数:200件
- 落札履歴詳細

出品モデルのスペック・諸元
- モデル名:GAUSS OPTONICA CP-3830
- 発売時期:1979年
- 発売時価格:¥880,000(1台)
- 形式:3ウェイオールホーンスピーカー
- 外径寸法:W620×H1980×D566
- 重量:75Kg(1本)
- インピーダンス:8Ω
- クロスオーバー周波数:800Hz/7kHz
- 出力音圧レベル:100dB/W/m
- 再生周波数帯域:30Hz〜20KHz
- ユニット構成高域:
- ウーファー:コーン型(5831F)
- スコーカー:ホーン型(HF-4000+4110・ダイヤフラム径:102mm)
- ツィーター:ホーン型(1502)
- その他詳細(リンク先・オーディオの足跡”GAUSS/OPTONICA CP-3830”)
GAUSS OPTONICA CP-3830のチェックポイントと中古相場
CP-3830はOPTONICA製スピーカーの中でも特に販売数が少なく、比較できる中古物件は少ないです。
出品物コンディション・驚異的な美観
本品のコンディションは極めて良好です。GAUSS OPTONICAとしてというより70年台末のスピーカーがこの状態を保っているということが驚きです。
ユニット・エンクロージャー共に美品。
音出し動作良好
スタンドに補修跡あり
この年代でこれ以上は期待できないレベルと思います。
中古個体チェックポイント・GAUSSユニットの状態を注視
OPTONICAブランドのCP-3800系ラインナップはGAUSSユニットのコンディションが第一のチェックポイントです。
今回の出品はほとんどパーフェクといっていいコンディションでありその必要はありませんが、このような例外を除けば本機種を探す場合GAUSSユニットが中古として美品・完動であることが最低条件となります。
- ドライバーからの異音
- ウーファー振動板の状態
- ネットワーク改造有無
CP-3830によらずGAUSS OPTONICA全般においてプロ用に使われることのなかった機種のため、大入力による破損の可能性は低いのですが、代わりに
- タバコ
- 加湿器(放出されたカルキによる腐食)
これらが考えられます。
取り付けネジ等の腐食は確認したい点です。
またネットワークは当時としては極めて高音質の素子をもちいておりますが、後述するシステムとして未完成であったことから改造されるケースがみられます。
OPTONICA CP-3830の中古相場
上述のとおりCP-3830は個体が少なく相場といえるようなものは形成されていません。
直近の参考としては2021年3月に625,100円での落札があります(入札:63人)。この個体は外観・動作ともに状態が悪く、この価格は新品でどんな音が得られるかという比較が生じる価格です。余程のファンでない限り高値と思われます。

当時そして現在の機種評価・ユニット性能が全てのスピーカー
音は太く迫力がある、ただしシャープOPTONICAとしてのキャラクターというものがありません。
あくまでGAUSSの良さそのままがスピーカーの音となっています。
シャープOPTONICAには「音をまとめる技術」がなかった
これはCP-3820やCP-3824にもいえるのですが、GAUSSユニットそのままの音です。OPTONICAとしての特徴といえるものがない。
GAUSSはJBLの名設計者バートロカンシーの全面的なコンサルティングのもとに成立したメーカーです。
ALTECが頼りなくなりつつある中で当時ポストJBLの最右翼としてプロ・アマ問わず注目されていました。特に本機のウーファーの5831、そしてその後にリリースされた4583Aは極めて強力なハイパフォーマンスユニットでした。
特にJBL4350の低音部をアップグレード目的で換装されることが多かった。
腰が強く明瞭でしかもより低い周波数まで伸びた特性は実に魅力的でした。
しかしメジャーにはならなかった。
メーカーとしての寿命が短かったということもありますが、音色の濃さがブランドのカラーに勝っていた印象がありました。
ユニットは低音から高音までラインナップされており個別では良いのですが、集めて使うとちょっとバラバラの印象があった。
JBLを換装したユーザーもバランスがとれず最終的には元に戻していました。
ユニット性能はそのまま使っても高水準という前提で、SHARPもまたGAUSSの音以外は出せませんでした。
ネットワークはかなり上質であるなどかなりコストが掛かっていますが、音づくりができず必然的にこうなったようです。
上記のように改造される一因ともなっております。
GAUSSユニットを使った国産スピーカーはユニットの個性に引っ張られた
販路拡大のためGAUSSはプロユースだけでなく民生スピーカーメーカーに対してもOEM供給を行なっていました。
国産でもDENONなどが採用しましたがOPTONICA、というかSHARPと同様でした。ハイエンドではありましたがそのメーカーのラインナップの中では明らかに異色な音でありユーザーからの支持も弱かった。
アンプなど駆動系のクオリティをはっきり出してくる性質も使いこなしが厳しいユニットでした。アセンブリするメーカーによほどの設計手腕がないとユニットの個性に引っ張られてしまい、バランスよく鳴らすことが難しかったのではないかと思います。
しかしこの個体は美品そのものであり実に見事です。同年代のスピーカーとして稀な個体だと思います。
また当時大流行したGAUSSのキャラクターも実に魅力的です。
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