EXCLUSIVEのフロア型スピーカー「S5」のヤフオク落札価格情報です。
TAD/EXCLUSIVE全般に言えることですが、程度は普通で動作完動の個体を選ぶと今後も長く使えます。相場も上昇しています。
ドライバー・ウーファーユニットともに完成度が高く現代の新しいデジタルフォーマットでも追い込める音質です。
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3つの重要なヤフオク落札履歴
中古市場におけるの評価は、以下の人気・価格・コンディションに現れています。
現代ではほとんど見られないほどスピーカーユニットの質が高く、現行機種でカバーできるものは超高額機に限られるため、しばらくこの相場は続くと思われます。
人気・コンディションと落札価格
良コンディションを反映し、かなりの高額落札となっております。
- 落札価格:¥889,888(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(176人)
- コンディション :★★☆(Average)
出品URL(Yahoo オークション)【全国発送可】EXCLUSIVE S5 スピーカーペア エクスクルーシブ 013889001W-2
落札価格:¥889,888(JPY)
- 開始価格: 1,000円(税込 – 円)
- 即決価格:XXX円
人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。
ウォッチ件数:176人
- 入札件数:42件
- その他取引条件:ー
- オークションID:c1075529953
- 出品地域:福岡県 福岡市早良区
- 入札履歴(以下リンク参照・ダウンロード可能)
落札日時:2022.12.21(水)21:21
- 出品日時:2022.12.14(水)23:40
出品者情報(ID・名前・評価)
- 出品者
- 出品者ID:tunagu5555
- 出品社名:ウエスト(Tunagu株式会社)
- URL:http://tunagu-inc.co.jp/
- 評価(良い):99.4 %(取引 16,046件中・ 2023年 1月時点)
EXCLUSIVE S5の音質とは
当時のPioneerの民生向けモデルとして最上級であったこともあり、雑誌メディアのランキングでは常に上位を占めていました。
評論家からはそれまでのPioneerバーチカルツイン(MTM)方式に比べ「気持ちよく音が前に出るEXCLUSIVE」といわれていました。
オーディオ雑誌や評論家の過去レビューまとめ
ホーン+高能率ウーファーの2ウェイという古典的構成の成功例とされ、長く愛用者を得たモデルです。
- ヴォーカルが前に出る、音像定位に優れる。
- ステレオイメージが広く、スケール感が広い
- 元の甘く、そして鋭く切り込ませる。ハーモニーの表現が出色
- 組み合わせる機器の違いは鋭敏に出す
- 小口径ウーファー特有のレスポンスの速さ
- バッフル(Front baffle of loudspeaker)がの面積が小さく、反射音が極めて少ないことを実感させる音場感(Stereophonic)のひろがり。
- あえてパルプコーンの振動板をウーファーに使うことにより、ホーンドライバーと音色を整合させている。
評論家の菅野沖彦(Okihiko Sugano)氏をして「アナログがよく鳴る」といわしめた佳品です。
UESUGI(ウエスギ)真空管アンプとの組み合わせでみえた高いS/N
能率が高くホーンスピーカーの反応の良さから、比較試聴の企画では真空管との相性も試されています。
- コンプレッションドライバーと小口径・強力磁気回路のウーファーという組み合わせがもたらす伸びやかな音
- Pioneerらしく、ノイズの極めて少ないチューニング
- 真空管アンプ/トランジスターアンプそれぞれで破綻なく組み合わせられる。しかし性能面での奥行きが深く、真価を引き出すには相応の使いこなしが求められる。
ノイズの少なさについてはウエスギのアンプとの組み合わせにおいて顕著に感じられるとされ、Pioneerの作り込みは細部まで入念であることを評論家諸氏から強調されたスピーカーです。
注目された音質技術と現実の評価・人気:現実的に使いこなせるExclusive
なお愛好家からは使いやすいExclusiveとして支持されたのがS5です。
同じExclusiveでも2401や2402のようなスケールは望むべくもありませんが、TD2001ドライバーを改良した高域と小口径ウーファーの機敏さは上位機種にはない使いやすさがあります。
常識的なアンプでも鳴るという意味ではS5はもっとも楽しめるモデルといって差し支えありません。
はっきり申し上げますと、2401や2402は低域の駆動に非常識なほどハイパワーのアンプを必要とします。
どれほど非常識かといえば、家庭の電力契約から見直すべきレベルであり(つまり、アンプの電源を入れたら電気が一瞬暗くなるほどの電源を搭載した大パワーのもの)それでも鳴らしきれないことが多い。
「人気がなかった」イコールつかいやすい
このモデルと同時期にレイオーディオが一躍有名となります。
S5は小口径ウーファーかつ2インチダイヤフラムという構成であり、15インチウーファーを至上とする当時の愛好家からは見劣りして見えたのです。
しかしドライバーはさておき38cmウーファーのレスポンスを上げることは難しく、今ともなれば小口径ウーファーの複数駆動はハイエンドスピーカーでは主流です。
高能率であることも含めて、使いやすいモデルとなっています。
ヤフオク落札相場データ
徐々に価格は上昇しております、内容が古くならないスピーカーの代表といえるためです。現在程度がやや傷ありで50万前後ですが、今回は良品相場の見本といえます。
良品はオークションでは¥800,000前後。オーディオ専門店ではすでに¥1,200,000に達しています。
相場は上昇傾向ですがコンディションで価格が大きく変動することが特徴のモデルです。求めるユーザー層はかなりオーディオをやり尽くした人が多く、要求水準が高いため。
※過去3ヶ月間にオークションでの落札がない場合、履歴は表示されません。
※現時点で出品がなされていない場合、検索結果は表示されません。
※Yahooオークションの落札履歴はシステム上の理由から最大2年で抹消されます。
当サイトでは消える前にデータを保管し、著作権上問題のないものを掲載しております。
(2023年まとめ)過去のオークション落札履歴
Pioneer Exclusive S5はコンディションによる価格差が大きい。人気モデルではあるため、入札時は
- 出品物の状態
- 人気(ウォッチリスト数)
- スタート価格の設定(低価格かそれとも高額な即決価格か)
この3点に留意してください。入札数はあくまで結果でしかありません。
上記と過去の落札履歴を比較すれば、最適な価格がみえてまいります。
なお本件の価格はやや高め。TAD/EXC
(2022年まとめ)過去のオークション落札履歴
(2021年まとめ)過去のオークション落札履歴
オーディオショップの中古価格
オーディオ専門店よりもオークションでの流通量が多くなっているモデルです。
ハイファイ堂・オーディオユニオンほか専門店の中古相場
よくある故障・不具合
以下よりコンディション判定『★★☆(Average)』となります。
あえて現代のものと同じ基準で外観判断しましたが、年代を考慮すれば相当の美品といえます。
出品されたEXCLUSIVE S5のコンディション評価
- シリアルNo(右/左):00075/00075
- 外観・動作・その他
- 天板突板にくすみあり(使用によるもの)
- 目立つ傷なし
- 動作良好(業者確認済み)
- ハカマ部分(キャビネット最下端)に傷なし
- ユニット美品・ホーン部に傷なし
- スピーカー端子良好
「買ってはいけない」中古EXCLUSIVE S5のポイント
耐久性の高いスピーカーユニットを搭載した頑丈なモデルですが、チェックポイントはある。
EXCLUSIVE S5は以下が要チェック項目です。
- 外観:重量物(85kg)のため移動の際に傷をつけやすい
- 天板・側板
- ハカマ部分は特に痛む(この部分がきれいな場合、内部も良好なことが多い)
- 天板(メープル突板)のくすみはある程度許容範囲、仕上げから変化しやすい部分。
またS5によらず、EXCLUSIVEのスピーカーは「スピーカーユニットの状態」が再注目のコンディションチェックポイントとなります。
1980年代のTAD/EXCLUSIVE は「改造に注意」
ドライバー・ウーファーはヘビーデューティ仕様のため音出しだけで確認は充分です。
2401・2402と違いプロユース例はほぼないため。
ただ改造されるものがあります、具体的にはネットワークの素子交換や、キャビネット内部に防振材を貼り付ける(現状回復不可能)といったもの。
そのため背面板の取り付け穴を隠すフェルト(ネジ穴に埋め込まれている)がゆがんでいないかどうかは要チェックです。背面パネルを取り外して内部にアクセスするためフェルトが歪んで挿入されている。
背面からアクセスする際、外すと歪んで押し込まれるため内部を開けたとわかる。
本モデルはプロユースがほとんどないため、通常内部にアクセスする必要がありません。
改造に至る理由はModel 2402で詳しく。
EXCLUSIVE S5の仕様
メーカー・発売年次と定価
- メーカー:Pioneer(パイオニア)
- モデル名・型番:EXCLUSIVE S5
- 発売年次:1989年
- 定価:¥638,000(JPY)/台
EXCLUSIVE S5の主要スペックと音質技術
- 主要スペック
- 大きさ:幅370x高さ1210x奥行586mm
- 重さ:85Kg(/本)
- 能率:93dB/W/m(Ω)
- スペック上の注目ポイント
- ドライバー・ウーファー(25cm)共にエクスクルーシブ(TAD)のアルニコユニット
- ドライバー型番:TD2001(ダイヤフラム:2インチ)
- バーチカルツイン(同軸2ウェイ)によるステレオイメージのまとまりの良さ
- ホーン部分はイタヤカエデの合板を切削加工、高精度かつ厳選された合板にバーズアイメープル/ウォールナットの突板仕上げ
- プロユースでの経時変化を考慮したドライバー・ウーファー・ネットワークの製法
ベリリウム振動板はオーディオ向けに新しく設計製造など不可能・ましてEXCLUSIVE S5クラスの価格では
Pioneer EXCLUSIVE(TAD)の特徴であるベリリウム振動板。よくこれをオーディオで使っているなと思わせる材料です。
現在では特殊な産業用途に限定されており、入手は容易ではありません。当然高額です、ましてや蒸着製法。JBLのような鍛造製法のほうが一般的であり、設備投資だけでもオーディオメーカーの手に負えるものではない。
物性はむろんよろしいのに採用が少ないのは上記の事情によるものです。YAMAHA NS-1000Monitorがいまだ人気の理由でもあります。
現在ハイエンドスピーカーではパラダイムが注目されていますが高価です。それだけの原価がかかる。
¥600,000(JPY)程度では到底作れないものが、中古美品として流通しているのがS5であり、2401・2402であります。
製造メーカーの目でみるオーディオ機器としての寿命
EXCLUSIVE S5にオーディオ機器としての寿命としてみた弱点は見当たりません。
- 音質と共に耐久性に配慮した設計
- 高品質の材料を使う
- 高精度の組み立て加工
TAD/EXCLUSIVEが指標とした品質基準は製造メーカーとして模範といって良いものであり、そのため製品は長寿命です。
強いてオーディオ機器としての寿命についてのデメリットを挙げるならば「本体重量が重い」ということでしょうか。
移動の際、どうしてもキャビネットに傷がつきやすくなる。
中古EXCLUSIVE S5のメリット・デメリット
最新ハイエンドスピーカーとの比較
デメリットが特に見当たらないスピーカーです。
あえて指摘するならば音の表現方法が違いすぎるスピーカーであること。現在はほぼすべてが低音の特性を伸ばすため重い振動板を強力にコントロールすることに対し、S5は軽量な振動板に強力な磁気回路を組みわせています。
重くゆったりとして低音ではなく、速い低音です。最新機種で類似の音質がないため戸惑うかもしれません。
メリットは、現代このコストでは到底作れない高品位の作り込みです。
時期違いながら2401・2402を上位機種としていますが、25cmという小口径ウーファー使ったことが成功し反応ははるかに機敏です。
なお日本製オーディオの名機といわれたものは、例えばサンスイブームに代表されるような高い人気を誇った時期があります。
しかし現在は中古の選別がすすんでいます。前述のサンスイは一部機種を除き値上がりは一段落。
そしてスピーカーは経時変化が少ないため、物色されている。筆頭がEXCLUSIVEで2401・2402は新品価格を超えるものすらあるほどです。
S5は地味なぶんこれからが注目。ホーン部分はイタヤカエデの合板を切削加工、高精度かつ厳選された合板にバーズアイメープル/ウォールナットの突板仕上げなど現代ではまず通らない企画です。
旧Pioneerの社員も好んだExclusive S5
まだ日本国内でオーディオフェアが多く開催されていた頃、開発者とおぼしき壮年のPioneer社員の方にお話を伺う機会がありました。
ご本人曰く
Exclusive S5とS-PM2000は印象に残っている、と。展示のスピーカーそっちのけでした。
いかにも「心から気に入っている」という雰囲気に、こちらも納得した次第。
80年代オーディオ名機のEXCLUSIVE S5はハイレゾ再生可能
なお80年代末のスピーカーでハイレゾ再生はできるのか、という疑問があります。
このEXCLUSIVE S5に関しては、結論から申せば可能です。高域の伸びたホーンドライバーであり、言われることの少ないビット方向の再現性は最新のデジタルフォーマットを充分に生かせる性能を有しています。
本件の落札価格は高いように見えますが、同クラス(同価格)の現代最新スピーカーと比較して
- 低音から高音までのワイドなレンジ感
- ホーンと高能率ウーファーによる反応の速さとダイナミックレンジの広さ
- リアルな音の実体感
この3つは比較できるモデルがありません。