SANSUIアンプでは異色といえるB-209のYahooオークション落札価格情報。バランス回路に頑固ともいえる定見をもったサンスイが珍しく米国と組んだ企画。理由は米国側スタッフのキャリアとスキルにあります。
部品は贅を凝らしたものであり管球アンプとしてトップグレードの完成度です。
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入札結果ダイジェスト(人気・コンディション・価格)
SANSUI B-209・過去のヤフオク落札データベース(随時更新)
中古相場は上昇しています。
外観良好・動作完動で¥450,000(JPY)前後
他社アンプ、例えばラックスマンのSQ38/LX38・LX360が入手製の低い真空管や放熱に問題をかかえて修理に困難をきたすなか、「いつでも修理・復帰できる」オーソドックスな設計にしてパーツのみハイエンドとする構成が好感されています。
(ご注意)過去3ヶ月間にオークションでの落札がないモデルの場合、上記のYahooリンクには履歴が表示されません。
当サイトでアーカイブした以下情報を併せてご覧ください。
(2023年まとめ)過去のオークション落札相場
状態によって相場が定まっていることがわかる価格例となっております。
コンディションにかかわらず人気は高い。
- モデル名:SANSUI B-209 The Tube 200台限定生産
- 落札日時 : 2023.11.05(日)22:15
- コンディション :★☆☆(POOR)
- 落札価格:¥276,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(116人)
- 入札数 (以下ダウンロード)
- 詳細な出品/落札情報(ダウンロードリンク)
- モデル名:SANSUI B-209 THE Tube
- 落札日時 : 2023.03.08(水)22:02
- コンディション :★★☆(Average)
- 落札価格:¥461,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(113人)
- 詳細な出品/落札情報(ダウンロードリンク)
- モデル名:SANSUI B-209 The Tube 6L6GC
- 落札日時 : 2023.02.05(日)21:19
- コンディション :★★☆(Average)
- 落札価格:¥441,000(JPY・税別)
- 人気(ウォッチ数):★★★(133人)
- 詳細な出品/落札情報(ダウンロードリンク)
(ご参考)Yahooオークションの「過去の落札履歴は2年間で完全に消去」への対応について
Yahooオークションの落札履歴は一定の期間を経て完全に削除され見られなくなります。
中古オーディオの価格データベースサイトを作った理由です。以下の情報をアーカイブしています。
傷や汚れなどの状態は当サイトにおいて生成した画像にマーキングして図示。
わかりやすく示すため、あえて白黒の画像を採用しております。
- 商品のコンディションについて記録。
キズや不具合を画像に明記の上、中古の要注意ポイントを説明。
(リンク先情報は最長2年で消えますが、本サイトのデータから価格決定の理由を閲覧できます) - 出品/入札の状況ならびに落札価格について可能な限り情報をアーカイブ。
(ウォッチリスト・入札/落札情報・出品者の評価) - 過去の中古オーディオ専門店の販売価格
- 上記の落札情報と中古オーディオ専門店の販売価格情報をもとに
その時点の中古オーディオ相場について説明。
なおすべての出品情報ならびに画像資料は保管しておりますが、著作権保護ならびに法律遵守の観点から現時点では公開をしておりません。
現在法改正が進みつつあり、一定のルールが定まった時点で法に則り順次公開していく予定です。
Yahooオークションの入札・落札履歴は落札から120日(4ヶ月・個人出品の場合)で消去されます。
ストアの場合はさらに短く90日(3ヶ月)で消去。
最長2年間で商品ページURLそのものが削除され
Googleによる検索も不可能となります。
当サイトで保存しているYahoo商品リンクも無効となるため、データベースとして以下の対策を実施しております。
過去のヤフオク落札相場との比較用にお役立てください。
オーディオショップの中古価格まとめ
入札結果をくわしくご説明(ウォッチリストほか出品情報)
開始価格が¥200,000(JPY)であったためウォッチ数が伸びませんでしたが、相場通りの落札価格となっています。
Yahooオークションのオーディオ出品情報(価格・入札履歴)・B-209の性質をよく知った愛好家による典型的な入札履歴
¥1,000刻みの少額入札が多く、オークション参加者はSANSUI B-209の価値をよく知る人たちだったことがわかります。
ただ結果として落札価格は割高です。
注意したいのは、この個体は天板に物が置かれていた痕跡があること。真空管アンプや純A級アンプでは注意したい。
SANSUI B-209・中古としての人気そして入札履歴と落札価格
出品URL(Yahoo オークション)SANSUI サンスイ MODEL B-209 THE Tube 真空管パワーアンプ 200台限定生産品
落札価格:¥344,888(JPY)
- 開始価格: 200,000円(税込 – 円)
人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。
ウォッチ件数:35人
- 入札件数:22件
- オークションID:s1110363472
- 出品地域:福岡県
- 入札履歴(以下リンク参照・ダウンロード可能)
落札日時:2023.10.22(日)19:58
- 出品日時:2023.10.18(水)00:13
オークションの出品者情報(ID・名前・評価)
- 出品者
- 出品者ID:bckae85248
- 出品社名:ー
- URL:ー
- 評価(良い):97.9 %(取引 45件中・ 2023年 10月時点)
中古オーディオのキズや故障・よくある不具合の見分けかた
以下よりコンディション判定『★☆☆(Poor)』となります。
くわしく画像を確認すると天板に傷があります。
中長期的になんらかのオーディオコンポが積み重ねてあった可能性大です。
動作は完動とのことですが、特にアンプではこういった個体は避けたい。
なおフロントパネル、特にウッドモールに傷ありは惜しい。このモール部分は大変手間のかかった加工がなされているためです。
今回ヤフオクに出品されたコンディションについて
※画像クリックで拡大表示可能
- シリアルNo:60707805
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み(ノイズなし)
- 出品1ヶ月前まで使用
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- 取扱説明書なし
- 天板に傷あり(オーディオコンポを積み重ねた跡?)
- キャビネット(特にフロントパネル)に傷・汚れ
中古のSANSUI B-209に特有の「買ってはいけない」注意点をわかりやすく
出品者に追加質問したい点はタバコ臭の有無です。
長期のメンテナンス可能であることが長所のひとつであるモデルだけにタバコのヤニによる汚染は気をつけたいところ。
- ボリュームにガリ(ノイズ)はないかどうか
- タバコ臭の有無、または禁煙環境にあったかどうか。
- スピーカーターミナルは確実に締まるか(ゆるみ・ぐらつきはないか)
- 背面入力端子のグラつき(ケーブルの大型化・極太化にともない破損の事例が多発している)
天板にオーディオコンポが積み重ねられた真空管アンプは要注意
著名なハイエンドパーツと手配線の構成、そして入手しやすい真空管で構成されていることからチェックするべきは以下の専用パーツの状態です。
- スイッチ・ボリューム類(ノイズやグラつきはないか)
- トランスの状態(タバコ臭は厳禁)
- フロントパネルの傷・汚れ(手間のかかった加工)
また今回のように天板に物が置かれた痕跡のある個体では、放熱が妨げられトランスやコンデンサーが劣化しやすい。
SANSUI B-209のスペック(発売時のカタログデータ)
真空管アンプブームにあわせて200台限定で作られたモデル。好評であったことからその後の「AU-111Vintage」の企画にもつながります。
AU-111Vintageとの違いは製造が事実上米国で行われ、日本で最後の仕上げ(外装パーツの取り付け・品質管理)をしたMade in USAアンプであったこと。
バランス回路ではない全くオーソドックスな設計です。
サンスイは東芝製MOS-FETをもって至上としており、たとえばラックスマンのように真空管をもってハイスピード素子とは考えていなかったことから米国のスタジオエンジニアの手を借りることになったと思われます。
- メーカー:SANSUI(サンスイ)
- モデル名・型番:B-209
- 発売年次:1997年
- 定価:¥750,000(/台・JPY)
- 主要スペック
- 大きさ:幅445x高さ190x奥行445mm
- 重さ:24.5Kg(/本)
- 出力:30W+30W(4Ω~8Ω)
- 消費電力:200W
- 能率:dB/W/m(Ω)
スプラグ、DALE抵抗、銀メッキ配線、テフロンワイヤー・なしうる限りの高音質アプローチを尽くした真空管アンプ
真空管アンプはシンプルな回路であるだけに、部品の質がわかりやすい。
B-209は当時も(そして現在も)最高の部品を使って製作されています。米国生産の理由のひとつには、日本では手に入りにくい宇宙航空向けなどのパーツを調達したいという目的があったと思われます。
- スペック上の注目ポイント
- 左右独立運動ボリュームによる可変入力と固定入力の2系統を装備し、プリメインアンプとして利用可能(B-2105MOS Vintageと同じ構成)
- ウィリアムソン回路
- 使用真空管
- 出力管:6L6GC(プッシュプル動作・5極管動作)
- 整流管:5U4G(余裕度を150%にとった・並列接続でチョークコイルを省いた・シリコンダイオードは使わない)
- 初段:6SL7
- ドライバー管:6SN7(直流点火方式)
- 高品位パーツを全面的に採用
- スプラグコンデンサ
- Dale抵抗
- 主要ワイヤはテフロンコーティング
- 銀メッキ線による内部配線
- 真空管ソケットにはセラミックボディで銀製ピン
- プリント基板は使用せず手配線
- フロントパネルは最大14mm厚のシャンパンゴールドのアルミ梨地にローズウッドの天然無垢材を組み合わせ
設計監修した「George Kaye」とは誰?・「ジュリアスフッターマン」でキャリアを積んだオーディオエンジニア
SANSUI B-209の紹介レビューで必ず紹介される事項が設計者のこと。「チェスキーレコードの技術コンサルタントでありA/Dコンバーターの真空管式アナログ部を設計したGeorge Kaye氏」とオーディオファンの常識のごとく語られますが、実は全く知名度のない人です。
調べたところ1980年代にハイエンドアンプ「ジュリアスフッターマン」(Julius Futterman・New York Audio Labs)に在籍していたエンジニアであることがわかりました。
OTLアンプから始めた技術者であり、真空管にはかなりの腕利きであることがわかります。
現在は自身のオーディオブランドである「MOSCODE」を主催しています。真空管とMOS-FETのハイブリッドアンプでありサンスイ側とも共通する認識は多かったのではないでしょうか。
またNew York Audio Labs以来のキャリアを活かしてB-209製作当時はすでにハイエンドのパーツ調達や製造業者のルートをもっていたはず。
すでにサンスイは真空管アンプの製造から離れて久しく、また部品・製造能力の確保にも問題を抱えた企業でした。
設計力以上に部品調達・製造ルートもあてにしていたと思われます。
- 詳細情報リンク
人気とコンディションの独自ランキング『★☆(星)』について
★☆(星)のランク付基準については以下の数値を元に設定しております。
独自のランキング基準を設定した理由は、入札数と落札価格だけでは中古オーディオの価格を決定する「人気度」が不正確であるため。
人気の基準は「ウォッチリスト」
- ★☆☆:『人気がない』 ウオッチリスト登録が50人未満
- ★★☆:『普通の人気』 ウオッチリスト登録が50人以上100人未満
- ★★★:『人気が高い』 ウオッチリスト登録が100人以上
コンディション判定はヤフオク記載の「商品の状態」よりすこし厳しめ
Yahooオークションの『商品の状態について』に厳密な規定がないため、ヤフオクの商品説明よりもやや厳しめに設定しています。
- ★☆☆:『ジャンク・難あり(POOR)』
傷多数や重篤な破損・動作しない、あるいは個人などのレベルの低い修理メンテナンスされてしまったもの - ★★☆:『普通(AVERAGE)』
傷少ない・動作に問題ない・使用感はある - ★★★:『EXCELLENT』
新品同様・未開封デッドストック・技術のある修理専門業者による高額のメンテナンスを実施
「ウォッチリスト」・中古オーディオの人気と落札相場はウォッチ数が決める
当サイトでは正確な人気度を測る指標として「ウォッチリスト」を重視します。
落札と同時に閲覧できなくなる項目ですが、これがオークションの人気を決めるためデータ化しています。
いわれるところの「入札数の多さ」は実は人気とはほとんどリンクしません。
入札数が多く高い人気のはずだったのに、下取りすると安いという原因でもあります。
記載した「入札履歴」をチェックするとわかりますが、
数百円から入札可能なYahooオークションでは、たとえ不人気であろうとも少額入札が長時間にわたって繰り返されることは日常的です。
こういう中古オーディオはたとえ入札数が多くとも、下取り価格は低い。
また悪質な出品者が複数のYahooアカウントを作り、価格を吊り上げることも残念ながら多い。これまた人気と関係なく入札数は増えていきます。
念の為、これらはYahooオークションに限らずネットオークション全てにいえる問題点です。
これらが「入札数は多かったのに、再度出品や下取りに出すと安い」理由です。
オークション人気は「ウォッチ数」の多さ、つまりウォッチリストの登録人数で中古オーディオの人気は決まります。
評論家が聴いたSANSUI B-209の音質、そして雑誌のレビューデータベース
200台限定の受注生産モデルという以上に真空管アンプとしての素性の良さを評価されたモデルです。
注目スペックと現実の音質評価・発売時に紹介されたエピソード
限定モデルのため雑誌のベストバイランキングにはノミネートされませんでしたが、井上卓也(Takuya Inoue)氏や長岡鉄男(Nagaoka Tetsuo)氏といった技術志向の評論家から高いレビューを得ています。
- カタログスペックにある特性の広さをそのまま感じさせるワイドレンジな音調
- 良質なMOS-FETにもよく似た現代的な音質
- やわらかくしなやかな音質だが超低域まで伸びている
一方で当時のサンスイは経営不振でありながらもトランジスタアンプの音質を極めつつあり、その音質は高く評価されていました。
B-209は設計を米国に任せたため、当然ですがその音調をそなえていませんでした。
そのため「サンスイらしからぬ音質、それでいて真空管アンプとして抜きん出た特徴があるわけでもない」と厳しい評価もされたモデルです。
元ジュリアスフッターマンのエンジニアがつくるMOS-FETにも似た真空管アンプ
なお設計者のジョージ・ケイ(George Kaye)氏は自身のブランドでもMOS-FETと真空管のハイブリッドアンプを手掛けています。
ジュリアスフッターマンではOTL(出力トランスがない真空管アンプ)を設計するなど管球アンプ全般に相当のキャリアがある。
東芝製のMOS-FETをもって最良とするサンスイとは馴染みがよかったらしく、外部のコンサルタントが手がけたモデルとは思えないほど「サンスイらしい音」といわれました。
最新オーディオからみるSANSUI B-209の特長と中古を買うメリットそしてデメリット・オーナーが手放さない理由
デメリットはもし故障したり、あるいは予防的なメンテナンスを施すときに作業費用は高額であること。
メリットは堅実な回路設計とその音質。上記のデメリットも全く問題にしないほど抜きん出た長所です。
SANSUI B-209は中古ではめったにお目にかからない。オーナーが手放さないからです。
入手しやすい真空管と厳選された高音質パーツ
厳選された高音質パーツとプリント基板を使わない手配線、そして入手性の高い真空管とあっては手放す理由がない。トランスやスイッチ・ボリュームが壊れない限りいつでも元の状態に戻すことができる。
音質については主観があるため述べませんが、多くのオーナーからやわらかくそれでいてリアルと言われる音調は、ジュリアスフッターマン出身者が設計したアンプと聞けば納得できるものです。
人気 :★☆☆