SANSUIアンプでは異色といえるB-209のYahooオークション落札価格情報。アンプでは頑固ともいえる定見をもったサンスイが珍しく米国と組んだ企画。理由は米国側スタッフのキャリアとスキルにあります。
部品は贅を凝らしたものであり管球アンプとしてトップグレードの完成度です。
- SANSUI B-209のオークション落札結果・人気・商品の状態
- Yahooオークションのオーディオ出品情報(価格・入札履歴)・B-209の性質をよく知った愛好家による典型的な入札履歴
- 出品物コンディション・入札のチェックポイント(不具合など商品の状態)・『★☆☆(Poor)』
- SANSUI B-209・中古相場と価格動向(ショップとオークションサイト価格履歴の比較・検索)
- SANSUI B-209の定価と仕様・スペック(新品時カタログ資料)・ほとんど「ジュリアスフッターマン」直系の真空管アンプ
- SANSUI B-209 発売時の音質レビュー・雑誌メディア、評論家の評価と人気ランキング
- ご参考・『★☆(星)』ランキングの基準について
- SANSUI B-209・中古オーディオを買うメリットとデメリット
SANSUI B-209のオークション落札結果・人気・商品の状態
Yahooオークションのオーディオ出品情報(価格・入札履歴)・B-209の性質をよく知った愛好家による典型的な入札履歴
開始価格が¥200,000(JPY)であったためウォッチ数が伸びませんでしたが、相場通りの落札価格となっています。
¥1,000刻みの少額入札が多く、オークション参加者はSANSUI B-209の価値をよく知る人たちだったことがわかります。
ただ結果として落札価格は割高です。
注意したいのは、この個体は天板に物が置かれていた痕跡があること。真空管アンプや純A級アンプでは注意したい。

SANSUI B-209・中古人気と、入札・落札履歴
出品URL(Yahoo オークション)SANSUI サンスイ MODEL B-209 THE Tube 真空管パワーアンプ 200台限定生産品
落札価格:¥344,888(JPY)
- 開始価格: 200,000円(税込 – 円)
人気・入札ならびに落札履歴は以下となります。
ウォッチ件数:35人
- 入札件数:22件
- オークションID:s1110363472
- 出品地域:福岡県
- 入札履歴(以下リンク参照・ダウンロード可能)
落札日時:2023.10.22(日)19:58
- 出品日時:2023.10.18(水)00:13
Yahooオークション履歴の掲載期限は落札から2年間。
システム障害により価格履歴が抹消される案件もあります。
Yahoo auctionが掲載するURLの閲覧終了にそなえ、以下を実施しております。
- 案件詳細は本記事内に記録(コンディション・人気・価格・落札履歴・レビュー)
- その他の落札事例を日々追加・更新(左記リンクより落札事例を検索可)
出品者情報(ID・名前・評価)
- 出品者
- 出品者ID:bckae85248
- 出品社名:ー
- URL:ー
- 評価(良い):97.9 %(取引 45件中・ 2023年 10月時点)
出品物コンディション・入札のチェックポイント(不具合など商品の状態)・『★☆☆(Poor)』
以下よりコンディション判定『★☆☆(Poor)』となります。
くわしく画像を確認すると天板に傷があります。中長期的になんらかのオーディオコンポが積み重ねてあった可能性大です。
動作は完動とのことですがこういった個体は避けたい。
なおフロントパネル、特にウッドモールに傷ありは惜しい。このモール部分は大変手間のかかった加工がなされているためです。
画像・出品説明より確認できるオークションサイト情報・買取、入札時の注意点
※画像クリックで拡大表示可能

- シリアルNo:60707805
Good(オーディオ中古としてのメリット)
- 動作確認済み(ノイズなし)
- 出品1ヶ月前まで使用
Bad(デメリット・動作不良・傷・経年劣化などの不具合)
- 取扱説明書なし
- 天板に傷あり(オーディオコンポを積み重ねた跡?)
- キャビネット(特にフロントパネル)に傷・汚れ
出品者に追加質問したい確認ポイント
長期のメンテナンス可能であることが長所のひとつであるモデルだけにタバコのヤニによる汚染は気をつけたいところ。
- ボリュームにガリ(ノイズ)はないかどうか
- タバコ臭の有無、または禁煙環境にあったかどうか。
- スピーカーターミナルは確実に締まるか(ゆるみ・ぐらつきはないか)
- 背面入力端子のグラつき(ケーブルの大型化・極太化にともない破損の事例が多発している)
SANSUI B-209・中古の要注目ポイント(傷 汚れ 不具合 故障)・天板にオーディオコンポが積み重ねられた真空管アンプに注意
著名なハイエンドパーツと手配線の構成、そして入手製の良い真空管で構成されていることからチェックするべきは以下の専用パーツの状態です。
- スイッチ・ボリューム類(ノイズやグラつきはないか)
- トランスの状態(タバコ臭は厳禁)
- フロントパネルの傷・汚れ(手間のかかった加工)
今回のように天板に物が置かれた痕跡のある個体では、放熱が妨げられトランスやコンデンサーが劣化しやすい。
SANSUI B-209・中古相場と価格動向(ショップとオークションサイト価格履歴の比較・検索)
中古相場は上昇しています。
外観良好・動作完動で¥370,000(JPY)前後
他社アンプ、例えばラックスマンのSQ38/LX38・LX360が入手製の低い真空管や放熱に問題をかかえて修理に困難をきたすなか、「いつでも現場復帰できる」オーソドックスな設計にしてパーツのみハイエンドとした構成が好感されています。
過去の中古価格とオークション落札相場(ヤフオク落札履歴)
上記は過去の取引情報、今の入札時に参考とされます。
- 個体の製造年次
- 中古としてのコンディション・状態
- 販売・落札価格
この3点を比較しつつ相場・価格チェックにご活用ください。
SANSUI B-209の定価と仕様・スペック(新品時カタログ資料)・ほとんど「ジュリアスフッターマン」直系の真空管アンプ
真空管アンプブームにあわせて200台限定で作られたモデル。好評であったことからその後の「AU-111Vintage」の企画にもつながります。
AU-111Vintageとの違いは製造が事実上米国で行われ、日本で最後の仕上げ(外装パーツの取り付け・品質管理)をしたMade in USAアンプであったこと。
サンスイは東芝製MOS-FETをもって至上としており、たとえばラックスマンのように真空管をもってハイスピード素子とは考えていなかったことから米国のスタジオエンジニアの手を借りることになったと思われます。
- メーカー:SANSUI(サンスイ)
- モデル名・型番:B-209
- 発売年次:1997年
- 定価:¥750,000(/台・JPY)
- 主要スペック
- 大きさ:幅445x高さ190x奥行445mm
- 重さ:24.5Kg(/本)
- 出力:30W+30W(4Ω~8Ω)
- 消費電力:200W
- 能率:dB/W/m(Ω)
スプラグ、DALE抵抗、銀メッキ配線、テフロンワイヤー・なしうる限りの高音質アプローチを尽くした真空管アンプ
真空管アンプはシンプルな回路であるだけに、部品の質がわかりやすい。B-209は当時も(現在も)最高の部品を使って製作されています。米国生産の理由のひとつには、日本では手に入りにくい宇宙航空向けなどのパーツを調達したいという目的があったと思われます。
- スペック上の注目ポイント
- 左右独立運動ボリュームによる可変入力と固定入力の2系統を装備し、プリメインアンプとして利用可能(B-2105MOS Vintageと同じ構成)
- ウィリアムソン回路
- 使用真空管
- 出力管:6L6GC(プッシュプル動作・5極管動作)
- 整流管:5U4G(余裕度を150%にとった・並列接続でチョークコイルを省いた・シリコンダイオードは使わない)
- 初段:6SL7
- ドライバー管:6SN7(直流点火方式)
- 高品位パーツを全面的に採用
- スプラグコンデンサ
- Dale抵抗
- 主要ワイヤはテフロンコーティング
- 銀メッキ線による内部配線
- 真空管ソケットにはセラミックボディで銀製ピン
- プリント基板は使用せず手配線
- フロントパネルは最大14mm厚のシャンパンゴールドのアルミ梨地にローズウッドの天然無垢材を組み合わせ
設計監修した「George Kaye」とは誰なのか?・「ジュリアスフッターマン」でキャリアを積んだオーディオエンジニア
SANSUI B-209の紹介レビューで必ず紹介される事項が設計者のこと。「チェスキーレコードの技術コンサルタントでありA/Dコンバーターの真空管式アナログ部を設計したGeorge Kaye氏」とオーディオファンの常識のごとく語られますが、実は全く知名度のない人です。
調べたところ1980年代にハイエンドアンプ「ジュリアスフッターマン」(Julius Futterman・New York Audio Labs)に在籍していたエンジニアであることがわかりました。
OTLアンプから始めた方ですから、かなりの腕利きであることがわかります。
現在は自身のオーディオブランドである「MOSCODE」を主催しています。真空管とMOS-FETのハイブリッドアンプでありサンスイ側とも共通する認識は多かったのではないでしょうか。
またNew York Audio Labs以来のキャリアを活かしてB-209製作当時はすでにハイエンドのパーツ調達や製造業者のルートをもっていたはず。
すでに真空管アンプの製造から離れて久しいサンスイは、設計力以上に部品調達・製造ルートもあてにしていたと思われます。
- 詳細情報リンク
SANSUI B-209 発売時の音質レビュー・雑誌メディア、評論家の評価と人気ランキング
200台限定の受注生産モデルという以上に真空管アンプとしての素性の良さを評価されたモデルです。
限定モデルのため雑誌のベストバイランキングにはノミネートされませんでしたが、井上卓也(Takuya Inoue)氏や長岡鉄男(Nagaoka Tetsuo)氏といった技術志向の評論家から高いレビューを得ています。
- カタログスペックにある特性の広さをそのまま感じさせるワイドレンジな音調
- 良質なMOS-FETにもよく似た現代的な音質
- やわらかくしなやかな音質だが超低域まで伸びている
元ジュリアスフッターマンのエンジニアがつくるMOS-FETにも似た真空管アンプ
設計者のジョージ・ケイ(George Kaye)氏は自身のブランドでもMOS-FETと真空管のハイブリッドアンプを手掛けています。
ジュリアスフッターマンではOTL(出力トランスがない真空管アンプ)を設計するなど管球アンプ全般に相当のキャリアがある。
東芝製のMOS-FETをもって最良とするサンスイとは馴染みがよかったらしく、外部のコンサルタントが手がけたモデルとは思えないほど「サンスイらしい音」といわれました。
ご参考・『★☆(星)』ランキングの基準について
★(星)のランク付基準については以下の数値を元に設定しております
「ウォッチリスト」データを参考に・ヤフオクの落札金額は人気で決まる

ウォッチリストの登録人数を基準に設定。
- ウオッチリスト登録が50人未満:★☆☆(人気がない)
- ウオッチリスト登録が50人以上100人未満:★★☆(普通)
- ウオッチリスト登録が100人以上:★★★(人気が高い)
画像判定を厳しく・オークション出品の評価点は「自己評価」
- 傷多数・ジャンク・個人による修理メンテナンス:★☆☆
- 傷少ない・動作に問題ない・使用感はある:★★☆
- 新品同様・未開封デッドストック・業者による高額のメンテナンス:★★★
Yahooオークションの『商品の状態について』は厳密な規定がないため、ヤフオクの状態説明よりやや厳しめです。
SANSUI B-209・中古オーディオを買うメリットとデメリット
デメリットはもし故障したり、あるいは予防的なメンテナンスを施すときに作業費用は高額であること。
メリットは堅実な回路設計とその音質。上記のデメリットも全く問題にしないほど抜きん出た長所です。
入手しやすい真空管、手配線と厳選された高音質パーツは高音質と修理メンテナンスを両立する・オーナーが手放さない理由
SANSUI B-209は中古ではめったにお目にかからない。オーナーが手放さないからです。
厳選された高音質パーツとプリント基板を使わない手配線、そして入手性の高い真空管とあっては手放す理由がない。トランスやスイッチ・ボリュームが壊れない限りいつでも元の状態に戻すことができる。
音質については主観があるため述べませんが、多くのオーナーからやわらかくそれでいてリアルと言われる音調は、ジュリアスフッターマン出身者が設計したアンプと聞けば納得できるものです。
人気 :★☆☆